【アカデミー賞大本命】自由に生きる魅力に惹かれる!『ノマドランド』
映画界最大のイベント、アカデミー賞。今年はコロナ禍ということもあって、授賞式(現地時間4/25)も特別なスタイルとなるが、頂点の作品賞に最も近いといわれているのが、この『ノマドランド』だ。もちろん大逆転の可能性もあるけれど、少なくとも一年を代表する名作であることは間違いない!
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『ノマドランド』
胸アツなポイントは?
“アメリカの雄大な景色が楽しめるから旅行気分にも!?”
経済破綻で自宅を手放すことにした主人公ファーンが、ワゴン車を住居にして働き口を求めて転々とする。物語だけ聞くとシビアで重い印象。ところが、予想以上にポジティブな気分に導かれるのが、この映画のマジックなのだ。
大企業アマゾンでの梱包作業や、国立公園の清掃などで出会いと別れを繰り返すファーンの日常に、アメリカ各地の雄大な自然が重なって、ロードムービーに浸っていく感覚。とにかく各地の映像が美しい! これまでのアメリカ映画では目にしたことのない珍しい風景も出てきたりして、まるで旅行気分も味わえるのが『ノマドランド』の魅力なのだ。
タイトルのノマドは、本来の意味である“遊牧民”から発展し、定住しないで人生を送る人たちのことを指すようになったが。ファーンのノマドライフを観ていると、余計なものを持たず、自由に生きる幸せが伝わってくる。
ファーン役のフランシス・マクドーマンドは、ノマドライフを体験して役作りし、今回、3回めのアカデミー賞主演女優賞も有力視されている。そしてファーンの仲間には、実際にノマドとして生きる人々もキャスティング。味わい深い演技を見せてくれる。
寒さに耐えて車内で眠ったり究極にお金に困ったりと、現実的エピソードもあるが、料理やトイレのアイデアなどキャンプ生活のヒントにもなるし、DIYに役立ちそうなネタもいっぱい。とりあえず断捨離したくなるのは確実!? ノマドたちの生き方は、いろいろな意味でお手本になるはずだ。
『ノマドランド』
原作/ジェシカ・ブルーダー 製作・監督・脚本・編集/クロエ・ジャオ 製作・出演/フランシス・マクドーマンド、デビッド・ストラザーン、リンダ・メイ 配給/ディズニー
2020年/アメリカ/上映時間108分
3月26日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
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