〈ルノー〉トゥインゴ GT
愛する家族や彼女のため、普段は使い勝手のいいSUVやセダンを仕方なく(?)相棒に選んでいるって人、意外と多いんじゃない? ふ〜ん、本当にそれで満足してる? なにがいいたいかといえば、本能をシゲキするクルマを自分のために選ばずして生きててイイのか、ってこと。
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むろんSUVもセダンも素晴らしい。しかし、クルマ好きなら誰だって、「リアドライブのスポーツカーをこの手に入れたい」と願ったことが一度ならずともあるはずだ。じゃ、そんな夢を、家族の同意も得つつ(!)叶えてみない?
そんなクルマが、〈ルノー〉の末っ子でありながら、今となってはルノーの屋台骨となっている一番のドル箱モデルのトゥインゴ。円を基調にしたデザインがあちこちに施され、期待を裏切らないかわいさを持つこのクルマ。でも、そこにどこかフェミニンな印象をいだいている人がいたら、その考えは今すぐ捨て去ってほしい。なぜならばこのトゥインゴ、実はかなりのマニアックなスペックを誇るのだから。
コンパクトカーのまだ下、スモールカーセグメントに位置するトゥインゴは、全長×全幅×全高が3620×1660×1545mm。全長は日本でいうところの軽自動車サイズながら、ゆったりとした全幅が輸入車らしい風格を漂わせる。とはいえ、最小回転半径は4.3m。コチラの数字も軽自動車並みで、入り組んだ路地の奥だってスイスイと駆け抜けられる機動性の高さを誇る。そんなハンドリングのよさはワインディングロードでこそ発揮されるのだが、特筆すべきことがひとつ。なんとこのトゥインゴ、今どき絶滅危惧種のRR、すなわちリアエンジン・リアドライブなのだ!
そう、このクルマは、かのドイツ産スポーツカーくらいしかお目にかかれなくなった、あのRR。特にコーナリングの楽しさは、ホイールベースの短さに対してワイドなトレッドを持つパッケージも手伝って、踏ん張り感のある面白いドライブフィールを与えてくれる。ターンアウト時にググっと曲がっていく、もしくは曲げてくれる感じは、RRでしか味わえない醍醐味!
余談だが、筆者がこのトゥインゴでフランスのブルターニュ地方を走っているとき、ちょっとしたトラブルが起こってしまった。やって来たレスキューがボンネットを開けようとしたので、「いや、エンジン後ろ」とドヤ顔で言ったら、信じられない、というふうに頭を振ったのち、笑顔でサムアップしながら「トレビアン!」とひと言。フランス男もRRが大好きらしい。
さて、数あるラインナップの中でも、Safari Online読者に特にオススメしたいのは断然トゥインゴGT。0.9ℓターボを通常モデルよりも19ps/ 35Nm引き上げ、109ps/ 170Nmを発揮。数字で見れば頼りないが、なんのなんの。これがわずか1040kg(MTの場合は1010kg)の体躯に乗っかっているんだからなかなかに勇ましい。しかもこのターボが実にフレンチらしい“ドッカンターボ”なモンだから、スペック以上にワクワクさせてくれること間違いなし!
さらに“クルマニア”を喜ばせてくれるのが、トランスミッションの選択肢。ベースグレードには6速のデュアルクラッチが用意されるが、GTにはさらに5速MTもカタログモデルとして通常ラインナップ。さらにパリらしいエスプリ薫るキュート(だけど子供っぽくない)インテリアにもご注目。しかもしっかり4人乗れるんだから、なかなかのパッケージなのだ。
キュートなルックスで女性ウケも抜群だから、「こんなセカンドカーならいいんじゃない?」な〜んて、奥方の頬も財布のヒモも緩みそうだと思いません? アナタは走りを、パートナーはかわいいセカンドカーを手に入れる。ね、み〜んなハッピーになれるでしょ!
★DATA〈ルノー〉トゥインゴGT
●全長×全幅×全高:3630×1660×1545mm
●車両重量:1010㎏(MT)、1040kg(EDC)
●エンジン:0.9ℓ直列3気筒DOHC 12バルブ・ターボチャージャー付き
●最高出力:80kW(109PS)/5750rpm
●最大トルク:170Nm(17.3kgm)/2000rpm
●トランスミッション:5速MT、6速EDC(エフィシエント デュアル クラッチ)
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:229万円(MT)、239万円(EDC)
●ルノー・コール
TEL:0120-676-365