真のデートカー! 〈フェラーリ〉ローマ
ヘリテージを色濃く匂わすような、伝統に基づいたモノはもちろん大好き。だけど同時に、時代とともに柔軟に変わっていくモノも大好き。『Safari Online』読者には、そんなフレキシビリティあふれるマインドを持っている人も多いハズ。実は近年、筆者の周囲でも(特にヤングエグゼクティブ層は)、従来の価値観に縛られることなくどんどん新しいモノを取り入れ、吸収している人がグッと増えた。そんな友人の1人が、最近新たな相棒を手に入れたという。さっそく試乗させてもらった。〈フェラーリ〉ローマだ。
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ローマは〈フェラーリ〉の新型FRモデル。近年の直線的な〈フェラーリ〉デザインとは一線を画し、グラマラスでなめらか。セクシーな曲線で構成されたルックスがガゼン目を引く。友人曰く「従来のオーセンティックな〈フェラーリ〉ファンからは賛否のあるクルマだけれど、こういうデザインだからこそはじめて〈フェラーリ〉に惹かれた」という。なるほど、ローマを目の前にすると、それも深く納得できるというものだ。
流麗なロングノーズにグッと後傾したショートデッキ。スポーツカーデザインのお手本のようなサイドビュー。まるで美術品のように美しく、いつまでも眺めていたくなるほどだ。“1950年〜1960年代におけるイタリア・ローマのライフスタイル、ドルチェ・ヴィータ(華やかで気ままな生き方)を現代的に解釈したモデル”というコンセプトから、ローマの車名がそのまま与えられたこのクルマ。まさにその姿は、享楽的でエロティック、そして華やかな、ドルチェ・ヴィータそのものが注ぎ込まれているようだ。
インテリアもまた〈フェラーリ〉らしい華やかさとスポーツカーとしての機能を、華美なまでに注ぎ込んでいることに心震える。ドライバーを包み込むコクピット状のシートまわりは、センターコンソールがスロープ状に。小型のタブレットのようなディズプレイが主張することなく、そのコンソールに美しく収められている。近年のインテリアデザインにおいて、これほどまでにメインディスプレイを美しくコンソールに収めたデザインは、ほかに記憶がないかもしれない。あくまでも〈フェラーリ〉はGTカーではなくレーシングカーに近い存在なのだということを、こういうデザインセンスで強く感じさせる部分でもある。それがリッチなシートやメカメカしいステアリングホイールまわりと合わさると、世のレース好きが最終的に〈フェラーリ〉を溺愛する、その理由を肌で知ることになる。
とはいえ、ローマの魅力はほかの〈フェラーリ〉ラインナップに比べて、走りがあくまでもGTカー寄りに作られ、かなり上質な運転感を都会でも楽しめるというところにもある。
静粛性が高く、乗り心地もしなやか。0-100km/hが3.4秒、最高速は340kmいうド級スペックを持ちつつも、最高出力620ps、最大トルク760Nmの出力を持つ3.9ℓV8ツインターボの味つけは、深い踏み込みさえしなければ従順に街に馴染む。見た目のエレガンスを走りでも味わえる、真にデートカーな〈フェラーリ〉というワケなのだ。あ、ちなみにその友人もめちゃくちゃモテていらっしゃいます、ハイ。
★DATA 〈フェラーリ〉ローマ
●全長×全幅×全高:4656×1974×1301mm
●車両重量:1472kg
●ホイールベース:2670mm
●エンジン:3.9ℓV型8気筒ツインターボ
●最高出力:456kW(620CV)/5750~7500rpm
●最大トルク:760N・m/3000~5750rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:2756万円~
●フェラーリ・ジャパン
URL:http://auto.ferrari.com/ja_JP/
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