予想外のどんでん返し!
衝撃のクライマックス映画5選!
映画の醍醐味のひとつが、世界観にどっぷりと浸り、そして予想外の結末に驚くこと。ここでは、衝撃のクライマックスが楽しめる作品を5本セレクト。ただし、ネタバレ解説つきなので、ご注意ください!
『ワイルドシングス』
製作年/1998年 監督/ジョン・マクノートン 脚本/スティーブン・ピータース 出演/ケヴィン・ベーコン、デニス・リチャーズ、マット・ディロン
事件が解決したと思ったら、その先があった!
ハイスクールで心理カウンセラーを務めるイケメンの教師サムが、裕福な家の女生徒ケリーにレイプされたと告発される。追い打ちをかけるように、ほかの女生徒スージーも、彼にレイプされたことがあると証言。だが、法廷でそれらが狂言であったことが判明。サムはケリーの母から莫大な示談金を得て街を去る。ところが、これは彼とケリー、スージーが組んだ大芝居だった。彼らの結託を疑っていた刑事レイは、真相を追って奔走する。
<ココからネタバレ>
3者の結託が判明するのはホンの小手調べで、どんでん返しはさらに続く。レイが動いていることに動揺したスージーは口封じのために殺され、その犯人と見られたケリーもレイに射殺される。これもすべて仕組まれたことで、サムとレイは手を組んでいた……と思いきや、真の黒幕が後に発覚! これぞ正しい二転三転で、マット・ディロンやケビン・ベーコンらクセ者俳優たちの妙演も相まって、最後の最後まで目が離せない!
『未来世紀ブラジル』
製作年/1985年 監督・脚本/テリー・ギリアム 出演/ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ
美女の救出劇は現実?
『12モンキーズ』の鬼才テリー・ギリアムによる、風刺とブラックユーモアに満ちたSFスリラー。舞台は体制が人々の情報を掌握している管理社会。情報省の小役人サムは、このところ自身が騎士となり、美女を助ける不思議な夢を頻繁に見るようになっていた。そんなある日、夢の美女とそっくりの女性ジルと遭遇。犯罪者となり当局に追われている彼女を、サムは情報改ざんにより助けようとする。
<ココからネタバレ>
ジルを無罪にして一度は結ばれるも、情報省に逮捕され、拷問されるサム。そのとき、彼と旧知の非合法の配管修理人が省を襲撃。救出されたサムはジルとともに逃げ切ってハッピーエンド……と思いきや、物語は拷問室に戻り、救出劇は廃人と化したサムの妄想であったことが判明する。救いのないエンディングだが、この衝撃こそがギリアムの目指した痛烈な社会風刺。アメリカではテレビ放映時、拷問室に戻る前で終わるハッピーエンド・バージョンも作られたが不評だったという。
『エスター』
製作年/2009年 監督/ジャウム・コレット=セラ 出演/ベラ・ファーミガ、ピーター・サースガード
少女エスターの本性とは!?
3人めの子供を流産したことから情緒不安定に陥った妻ケイトのために、夫のジョンは新たに養子を迎える。孤児院から引き取られた、その子供、エスターは聡明で礼儀正しい9歳の女の子だった。しかし、首と手首に巻かれたリボンを決して外そうとしない。やがてケイトは彼女の挑発的な態度を気にしはじめるが、夫は気のせいと取り合おうとしない。さらにエスターの不審な行動はエスカレートし、ジョンとケイトのふたりの実子を脅迫。さらには孤児院から様子を見に来たシスターを殺害してしまう……。
<ココからネタバレ>
その後、エスターはあろうことか、ジョンを誘惑するという9歳の少女とは思えない驚くべき行動に出る。ここで明らかになるのは、難病のために身体の成長が止まってしまったエスターが、実は33歳であったこと!あどけない顔をしながら、手段を選ばずほしいものを手に入れようとする彼女の狂気に、戦慄を覚えずにいられない。ちなみにエスターを演じたイザベル・ファーマンは本作の撮影時は11歳の子役だったか、その怪演は鮮烈!
『アウェイク』
製作年/2007年 監督・脚本/ジョビー・ハロルド 出演/ヘイデン・クリステンセン、ジェシカ・アルバ、テレンス・ハワード
若き富豪が手術中に知った事実とは!?
実業家だった亡き父から大企業を継ぎ、前途洋々と思われている青年クレイトンの悩みは、恋人サムとの結婚を、厳格な母が許してくれそうにないこと。そして心臓に疾患があり、移植手術が必要なことだった。ある日、ドナーが見つかり、母に内緒で挙式した新妻サムに付き添われて、クレイトンは緊急入院。ところが、全身麻酔が完全には効かず、彼は全身がまったく動かないまま意識だけははっきりする“術中覚醒”の状態に。手術の激痛に苦しみつつ、彼は医師たちの会話から、驚くべき事実を知ってしまう。
<ココからネタバレ>
実は手術の担当医は、仲間の医師や看護師とともに、手術の失敗を装ってクレイトンを殺害する計画を立てていた。しかも、この計画にはサムも加担していた! すべてはクレイトンの莫大な遺産を狙っての犯罪計画だったのだ。絶体絶命のクレイトンの運命は!? 一見、悪役とは思えないジェシカ・アルバをサムに配役したのは、まさにキャスティングの妙!
『グッドライアー 偽りのゲーム』
製作年/2019年 原作/ニコラス・サール 監督/ビル・コンドン 出演/ヘレン・ミレン、イアン・マッケラン
詐欺師と資産家、どちらが騙せる?
舞台は現代のロンドン。腕利きの老詐欺師ロイは、投資話を持ちかけては標的の財産を根こそぎ奪う達人。資産家の未亡人ベティに接近した彼は、紳士的な態度で彼女の信用を勝ち得て、恋の相手を演じ続けることに。警戒心の強いベティの孫はロイを信用せず、その存在はロイの計画の邪魔になる。しかし彼に惚れていたベティは全財産を、ロイの仲間の投資コンサルタントに預けることに同意した。しかし、その後事態は予期せぬ方向へ……。
<ココからネタバレ>
ロイが実は英国人ではなく、第二次大戦で戦死した英国兵になりすまして渡英したドイツ人であったことが判明。それでもベティは彼を受け入れるが、彼女も実はナチス政権下を生き抜いたドイツ人だった。若き日の彼女は自分をレイプし、一家を破滅に導いたロイへの復讐の機会をうかがっていたのだ……。ヘレン・ミレンとイアン・マッケランの名優共演で、騙し騙されのゲームを活写。ラストに明かされる、長年の因縁がヘビーな感触を残す。
photo by AFLO