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2025.01.01


【2025年の洋画ヒット展望②】あのスター、あのシリーズ作品が大復活!


『バック・イン・アクション』

あの人が久々に帰ってくる! 2025年はそんな喜びとともに幕開けしそうだ。キャメロン・ディアスが約10年ぶりに俳優業を再開した映画が『バック・イン・アクション』(ネットフリックスで1/17配信開始)である。2014年の『ANNIE/アニー』への出演を最後に、彼女は俳優活動を休止。長年の仕事に疲れきったのが理由とされ、一時は引退説も濃厚になっていた。そんなキャメロンが『アニー』でも共演したジェイミー・フォックスの熱い要望もあって、彼と再共演の『バック・イン・アクション』で復活する。演じた役も“復活”というフレーズがぴったり。穏やかな家庭生活を送るため、CIA諜報員を引退した夫婦だが、身元がバレてスパイの世界へ戻されるというドラマは、キャメロンのこの10年ともシンクロする。いずれにしても50代を迎えた彼女の新たな一面に再会できるのは、映画ファンの喜びだろう。
 

  

 

『ザ・サブスタンス』(5/16公開)※撮影中のカット

この“復活”は2025年のキーワードのひとつかもしれない。もう一人、鮮やかな復活を遂げた女優がいるからだ。それはデミ・ムーア。キャメロンと違って、仕事を引退していたわけではない。しかし近年のデミは、出演作があまり話題になることはなかった。日本では2023年に公開されたニコラス・ケイジ主演の『マッシブ・タレント』では、自虐ネタのような特別出演で少しかわいそうでもあった。最近は元夫で認知症になってしまったブルース・ウィリスに寄り添うニュースなどで元気な姿を見せていたものの、『ゴースト/ニューヨークの幻』で一世を風靡したスターとしての活躍は正直、パッタリだった。そんなデミが、目を疑うような演技を見せ、アカデミー賞で主演女優賞ノミネートの可能性もあるのが『ザ・サブスタンス』(5/16公開)である。年齢が50歳となって仕事が減ったスター女優が、秘密の“若返り物質”を注入し、外見が若い美女に変身する。しかしその欲求が取り返しのつかない悲劇を呼び……というブラックな味わいもある一作。若返ったシーンを別の女優(いま若手トップスターのマーガレット・クアリー)が演じるが、とにかくデミの演技が狂気的レベル。そのうえで作品の評価は高いという奇跡の一作だ。自虐っぽい出演作が“スター復活”を導いた点にも注目してほしい。
 

  

 
一方で復活などという言葉とは無縁。傑作が途切れず、トップスターの地位をキープし続ける俳優の新作では、ブラッド・ピットがレーサーを演じる『F1』や、レオナルド・ディカプリオが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『リコリス・ピザ』などつねに“当たり”の作品を届ける鬼才、ポール・トーマス・アンダーソン監督と組んだ『バトル・オブ・バクタン・クロス』などが控えている。後者は現在もその内容がヴェールに包まれており、期待が煽られる。
 

  

 
そして復活という意味では、人気キャラクターや名作の新たな誕生に出会えそうなのが、2025年だ。まず挙げられるのが『白雪姫』(3月公開)。ディズニーアニメの実写化はこれまでも続いていたが、今から88年前、世界初のカラー長編アニメーションとして公開された、ディズニープリンセスの原点であり、実写化までいろいろと物議もあった作品だけにどんな仕上がりになっているのか注目される。ヒロイン役が『ウエスト・サイド・ストーリー』のレイチェル・ゼグラー、監督が『アメイジング・スパイダーマン』のマーク・ウェブ、脚本が『バービー』のグレタ・ガーウィグという顔合わせ。
 

  

 

『スーパーマン』(7/11公開)※撮影中のカット

原点といえば、スーパーヒーローの頂点に君臨し続けた彼もスクリーンに復活する。タイトルもシンプルかつ堂々と『スーパーマン』(7/11公開)! クリストファー・リーヴ、ヘンリー・カヴィルらが演じてきたこの役を、新たに任されたのは『Pearl パール』『ツイスターズ』などのデヴィッド・コレンスウェット。公開された予告編に対し、あまりのハマリ役に賞賛の声が上がっている。監督を務めるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどを手がけ、DCスタジオの新たなトップになったジェームズ・ガン。かなりシビアでハードな描写も多いようなので、現代にぴったりのスーパーマンが新たな旋風を起こしてくれるはずだ。
 

  

 

『カラテ・キッド:レジェンズ』

その他にも人気シリーズの復活が目立つ2025年。1984年のラルフ・マッチオ主演作にはじまり、ジャッキー・チェンとウィル・スミスの息子ジェイデンの共演でリメイクも作られた『ベスト・キッド』。近年はドラマシリーズ『コブラ会』というスピンオフにも発展して人気を得ていたが、新作『カラテ・キッド:レジェンズ』では、なんとラルフとジャッキーの夢の共演が実現する。

レネー・ゼルウィガーの当たり役は、『ブリジット・ジョーンズ:マッド・アバウト・ザ・ボーイ』として9年ぶりの新作が公開。『28日後…』、『28週後…』というサバイバルホラーの人気作は18年ぶりに第3作となる『28年後…』が完成する。モフモフのクマキャラの『パディントン・イン・ペルー』(5/9公開)や、マジシャンたちの犯罪劇『グランド・イリュージョン』の最新作などもシリーズファンにはうれしいはず。ヒーローものでは『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス』。かつてクリス・エヴァンスらによって作られたチームの映画が、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)で復活する。キャストは『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』のペドロ・パスカルら。

また、1988年のアクションコメディ『裸の銃(ガン)を持つ男』がリーアム・ニーソンで、1987年のスティーヴン・キング原作、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『バトルランナー』がグレン・パウエルで、それぞれ復活。こうした人気作の復活が、どうアップデートされるのか、原点のオリジナルと比較するのも2025年の映画の楽しみ方だ。

※正式な邦題が決まっていない作品は、原題で表記しています。
※公開時期が表記されていない作品は「2025年公開予定」ですが、日本公開が2026年になる可能性もあります。

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文=斉藤博昭  text: Hiroaki Saito
Photo by AFLO
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