競泳 入江陵介選手
腕時計の金は自分が目指す色でもある!
2006年に日本代表入りを果たしてから、もうすぐ14年。トップスイマーとして長年脚光を浴び続けてきた入江選手だが、華やかに見える選手生活の陰では、自分自身にしかわからない苦悩を抱えていた時期もあった。しかし今、様々な苦難を乗り越え、目標に向かって真っ直ぐに進むストロークは強く、たくましい。 身につけたゴールドの時計のように東京2020、そして金を目指す……。
競泳界をリードする日本のエース
入江陵介選手
そこをめがけて全力で水を掻くプールのタッチパネルで。泳ぎ切った後にすぐにタイムを確認する電光掲示板で。少年の頃から、入江陵介の目には常に〈オメガ〉のロゴが映っていた。「オリンピックだけではなく、競泳の国際大会の公式計時はずっと昔から〈オメガ〉だったような気がするので最初にこのブランドを知ったのはいつだったか? はっきりとした記憶はなく、知らないうちに認識していました」
その〈オメガ〉が、入江選手にとって最初の時計となる。「学生時代は時計には全く興味がなかったのですが、大学を卒業した年、ロンドン五輪に出場する前にご縁をいただき、生まれてはじめて腕時計を手にしました」 現在愛用しているのも、シーマスター。選んだ決め手はその”色”だった。「ブルーがすごく好きなんでよ。そしてこのケースのイエローゴールド! ゴールドだけど、いかにも!という感じではなくさりげないし、なによりゴールドは目指しているメダルの色なので」
自身4回めのオリンピックとなる東京2020。その出場権をかけた来春の日本選手権に向けて、現在はトレーニングを積む日々だ。目標を明確に定めたその瞳には一点の曇りもない。しかしここにたどりつくまでには、水泳をやめようと思ったときも何度かあった。
「競泳選手としては、やはりオリンピックがひとつの区切りになりますので、正直、リオが終わったときは引退もよぎりました。それまでに、”これ以上もう、やれることはない!”っていうくらい積み重ねてきたのに、不本意な結果しか出せなくて。またこれからどう頑張っても、きっとなにも変わらないという気がして、先が見えなくなりました」
[オメガ]
OMEGA
シーマスター ダイバー300M
マスター クロノメーター
ケース径42㎜、自動巻き、SS+ YGケース、ラバーストラップ。69万円(オメガお客様センター)
スポーティさとエレガンスを
兼ね備える大人のダイバーズ
逆回転防止機能搭載のセラミックベゼルや、バトン型の針、ドットインデックスがアイコニックなシーマスターのフラッグシップモデル。300m防水とタフな機能性を備えながら、スポーティさの中にも知性やエレガンスが薫る、大人の男のダイバーズ。
それでも再び前を向いて、新たな高みを目指すことを決心した。「今もこうして水泳を続けているのは、東京2020があるから。あとは、ファンの方やお世話になっている方々に、"まだまだ頑張ってほしい"というお声をたくさんいただいたことも大きいですね」 今ももちろん、宿命のようにプレッシャーはのしかかる。しかしそれさえも楽しみに変える強さも身につけた。
「日々のトレーニングはしんどいと思うことも多いけれど、こうして現役選手として東京2020を迎えられる楽しみのほうが大きいです。自国で開催されるオリンピックに選手として関われるというのは、このうえない幸せなので。わくわくした気持ちはずっと持ち続けて、わくわくしたままレースに臨みたいですね」
●オメガお客様センター
TEL : 03-5952-4400
雑誌『Safari』1月号 P230掲載
photo : Toshiyuki Imae styling : Hidenori Asai text : Kayo Okamura