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2023.06.15


2人でも大勢でもくつろげる飾らない大人の空間

2人でくつろぐソファ、仕事のデスク、大人が囲むダイニングテーブル。住まいには様々な顔があり、過ごし方があるからリノベーションで“ハコ”はあくまでもシンプルに、インテリアやデザインで個性をさりげなく主張する武藤邸。コンパクトなスペースを心地よくするアイデアもポイントだ。

武藤邸/1ROOM/71.8㎡
2人でも大勢でもくつろげる飾らない大人の空間武骨な剥き出しの壁に、木枠の窓や〈ルイスポールセン〉のラジオハウスペンダント、〈マッキントッシュ〉のダイニングテーブルがミッドセンチュリーの趣を添えている

緑の小径が続く人気の住宅地。武藤さんが住むのは、リノベーションした築45年のマンション。コンパクトな1ROOMだが、空間に広がりを感じさせているのは、デザインのなせるワザ。リビングダイニングの壁沿いにぐるりと巡らせたベンチは、収納であり飾り棚であり、子供たちの友人家族が遊びに来ても、思い思いに座れるマルチな場所だ。

天井は剥き出しにして高さを出した。人は視線の届く距離が長いほど広々と感じるのだ。視線のマジックはほかにも。玄関ホールを入るとレトロなガラス壁が、圧迫感なく目隠しの役割を果たし、気配だけを伝える。プレイルームとベッドスペースの間には、140㎝ほどの絶妙な高さの間仕切り壁を設けた。プレイルームに入ると、間仕切り壁越しに奥の窓まで視線は抜けるが、ベッドは間仕切り壁の死角に入って見えないつくりだ。「壁を取り払いシンプルな“ハコ”にしたことで、インテリアを選ぶ楽しみも広がりました」と武藤さん。

壁紙や和室の土壁の下から現れたのはコンクリートの塗り跡が残る、経年の味わい。ミッドセンチュリーとの相性もよく、板壁やドア、窓枠は濃い木目で統一して色数を最小限に抑えつつ、家具やファブリック、小物でアクセントをつけている。

例えばキッチンには、個人輸入で取り寄せた真鍮製の作家ものの取っ手を付けた。LAのアーティストのラグをアクセントにしたり、デンマークの〈ルイスポールセン〉や国内の照明デザイナー、〈ニューライトポタリー〉のペンダントを採用したり。ダイニングチェアは夫妻がそれぞれ〈FDBモブラー〉とハンス・J・ウェグナーを選ぶなど、ブランドやデザイナーを統一することよりも、この空間に欲しいもの、自分たちにとって心地いいものを、ひとつずつ選んで暮らしを楽しんでいる。

01 ダークな背景にビビッドな
〈ビーエフジーエフ〉のブランケットが映える


リビングのソファにかけているのはLAのアーティスト、リリアン・マルティネスが手掛けるブランド〈ビーエフジーエフ〉のブランケット。ポップな色使い、フォークアートを思わせる独特の世界観が、ダークな板壁を背景に映える。リビングダイニングの窓に面した壁は、収納を兼ねたベンチシートをぐるりと巡らせて大勢が集まったときも自由に座ったり寄りかかったりできる作り。

02 キッチンは色数を抑えて
大人シックなデザインに


キッチンは窓からの景色が見えるよう壁に沿ってL字に配置。朝食はカウンターでサクッと済ませる。キッチンは食材や調理道具で色があふれ生活感が出がちな場所だからこそ、床と壁はグレーのタイルで統一しシックに。コペンハーゲンリブのカウンターが空間を引き締めている。後ろ姿がかわいい〈ヘイ〉のスツールはダスティブルーとコンクリートグレーをチョイス。照明は〈ニューライトポタリー〉のBAUSで大理石と真鍮を組み合わせたシンプルなペンダントライト。

03 プレイルームのインテリアは
目線の高さを変えて楽しむ


プレイルームは子供の手が届きやすくしまいやすいよう、ポンポン詰め込めるバスケットを使っておもちゃを収納。床は幅広のオークのフローリングで、階下に子供の足音が響かないよう遮音を施したものにしている。

04 絶妙な高さの間仕切り壁で
ほどよいおこもり感


プレイルームの奥は間仕切り壁で仕切ったベッドスペース。掃き出し窓からの陽射しで心地よく目覚める。

INTERIOR POINT
存在感のある背もたれとミニマルなライン

2人でも大勢でもくつろげる飾らない大人の空間ダイニングで使っているのは、ハンス・J・ウェグナーのブルホーンチェア。雄牛の角を思わせる、ゆるやかな曲線の背もたれは、思わず肘を置きたくなるように先端がわずかに上を向いている。なめらかで温かみのある木の手触りとクールで直線的なスチール脚の異素材使い、スタッキング可能なミニマルなラインが特徴。シンプルながら、存在感のあるフォルムがお気に入りだ。

2人でも大勢でもくつろげる飾らない大人の空間「イラストレーターをしているため、自宅は仕事場でもあり、1日を過ごす場所。家じゅうが回遊できて、好きなものだけに囲まれて、以前の住まいのときとは全く暮らしが変わりました」(妻)。「子どもの友達家族が遊びに来てくれたり、ワイワイやっています」(夫)

『Safari』×〈HOUSETRAD〉と
居心地のいい空間づくりを

この記事を読んで、自宅、会社のリノベーション、戸建てに興味を持たれた方は、是非下記アドレスにご連絡ください。『Safari』が、インテリアデザイン会社〈HOUSETRAD〉と一緒に、あなたのライフスタイルに合った住空間をご提案させていただきます。物件探しなどもお気軽にご相談ください。
info_house@hinode.co.jp
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Information

●ハウストラッド
TEL:03-6412-7406
URL:www.housetrad.com

雑誌『Safari』7月号 P218~219掲載

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写真=松村隆史 文=中城邦子
photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo
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