ジョルジオ・アルマーニに聞く20の質問!【前編】
『Safari』20周年カウントダウンへ向けた企画としてスタートした、“世界で成功した人への20の質問”。記念すべき第1回は、デザイナーのジョルジオ・アルマーニ。1975年にスタートした自身のブランドを、今なおファッション界の最先端に押し上げ続けるその思考とバックグラウンドを学ぶ! 前編はQ1~Q10をお届けします。
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- 世界で成功した人への20の質問!
©Credits Lucas Possiede
Q1 旅に必ず持っていく洋服や靴は?
A1 ネイビーブルーのカシミアTシャツや白のトレーナーなどかな。
制服のように決まったものを着る機会が多いです。トップは通常はネイビーブルーのカシミアTシャツやアンコンジャケット、白のトレーナー。パンツはシンプルなコットンやウール素材のものですね。カンヌのようなイベントに参加する場合は、白いシャツにダークなアンコンスーツ、黒いネクタイと補完的な革靴を用意しています。
表はレーヨン・ナイロン、裏はコットン素材の着心地抜群のダブルジャージ。スポーティに入った刺繍のラインとGAロゴがポイント。ロゴに合わせてWジップもマットなブラックカラーに。20万1300円(ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
Q2 2023~2024AWシーズンのコレクションで、最も象徴的だと思うアイテムは?
A2 ロングコート、カーディガンジャケットなどです。
2023年秋冬は、ロングコート、カーディガンジャケット、ブロードブレザー、レザーボンバージャケットが象徴的でした。カシミヤ、アルパカなど、使用される生地の性質によって流れるような包み込むラインと、柔らかく正確なカットが強化されたコレクションでもありましたね。
ミックスシルク素材(シルク・ナイロン)のソリッドツイル。1ボタンの背抜き1枚仕立てだから、後ろ姿も美しいシルエットに。襟の内側に、まるでストールを1枚巻いたようなデザイン。38万5000円(ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
Q3 ファッションデザイナー以外に、やってみたかった(やってみたい)職業は?
A3 映画監督。
映画の監督をやってみたいといつも思っていました。全体的な雰囲気を作り、そこに住む人々に服を着せ、物語を作るという流れが大好きです。
Q4 ファッションの魅力とは?
A4 着る人の個性を最大限に引き出せること。
服で見栄えをよくすることで、着る人が快適でエレガントに見える最高の状態であること。それが私にとってのファッションです。
Q5 あなたにとってのヒーローは?
A5 情熱を持っている人です。
自分のしていることに情熱を注いでいる人は、誰でも私にとってヒーローです。
Q6 20歳の頃はなにをしていた?
A6 デパートで働いていたよ。
医学部を中退した後、写真家を目指した時期もあったんだ。妹のロザンナの写真を何枚か持って、ミラノの一流デパート、“ラ・リナシェンテ”の中のお店の採用担当者に会いに行ったりもした。写真家にはなれなかったけど、その担当者が雇ってくれて購買部門で働いていたよ。その店のメンズウエアの買いつけに携わっていたね。
Q7 最近感動したことは?
A7 オスカーの授賞式です。
第95回アカデミー賞で、オスカー受賞者のブレンダン・フレイザーとミシェル・ヨーなど、多くの素晴らしい俳優、女優が私の作品を身につけてくれていたことかな。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアジア系女優としてはじめてアカデミー賞主演女優賞に輝いたミシェル・ヨー。〈ジョルジオ アルマーニ プリヴェ〉の総刺繍ストラップレスドレスで登場
『ザ・ホエール』で主演男優賞を獲得したブレンダン・フレイザー。こちらのスーツはアルマーニが展開するオーダーシステム、“メイド トゥ メジャー”の1着
Q8 ファッションに興味をもったきっかけは?
A8 特に母からですね。
父はいつもお洒落だったのですが、実際私に最も影響を与えたのは母でした。彼女はとてもエレガントな女性で、お金がほとんどないときでさえ、兄、妹、そして私がきちんとした身なりを整えることができるように常に気を配ってくれていました。
Q9 思い出の映画は?
A9 イタリアの冒険映画『La Corona di Ferro』です。
アルフレッド・ヒッチコック監督の1946年の作品、『汚名(ノトーリアス)』が自分のお気に入りの映画だと考えていました。イングリッド・バーグマンとケーリー・グラントが主演した、純粋なヒッチコック作品で、スマートで、魅力的で、緊張感があるからです。でも、最も印象に残った映画と考えると、1941年の子供の頃に見た『La Corona di Ferro』ですね。アレッサンドロ・ブラゼッティが脚本と監督を務め、ヨーロッパの神話や伝説を物語にうまく取り入れていて色褪せない永遠の魅力を放っているところが、とても印象的です。
1941年のヴェネツィア映画祭金獅子賞作品。多くのエキストラを擁し撮影された戦闘シーンは圧巻のひと言。幼いジョルジオ・アルマーニが心を掴まれたのも納得
Q10 大好きな料理はなに?
A10 トルテッリ アッラ ピアチェンティーナがお気に入りだよ。
基本的に健康的でシンプルな食べ物が好きなんだよ。あと、一般的にはイタリア料理。その中でも、“トルテッリ アッラ ピアチェンティーナ”がお気に入り。リコッタチーズとほうれん草を詰めたパスタで、私の故郷ピアチェンツァ、エミリア=ロマーニャ地方の郷土料理でもあるからね。
●ジョルジオ アルマーニ ジャパン
TEL:03-6274-7070
雑誌『Safari』6月号 P61~64掲載
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photo:Koki Marueki(BOIL) styling:Ryosuke Endo photo by AFLO