肌に乗せて完成する男らしい香りとは?
纏わせた肌の体温によって、香り方が違ってくるフレグランス。そんな、肌に吹きかけてからが、香りの本番ともいえる調合にしてあるのは、フレグランスの王道〈シャネル〉ならでは。
- SERIES:
- 同じブランドでも“香り”は大違い! Vol.47
[シャネル]
CHANEL
フレグランスアドバイザー
MAHO
外資系メーカーや香水関連会社を経て独立。セミナー講師のほか、パーソナルカウンセリングサロン“プライベート トワレ”を運営。
――待ちに待った待望の〈シャネル〉。やっと紹介できます!
MAHO(以下M) 香水といえば……というブランドだものね。定番の“プールムッシュウ”はとてもエレガント。1955年に登場したオードゥ トワレットは、マドモアゼル シャネルが存命中、初の男性用として出したシプレーの名作よ。
――そして、このオードゥ パルファムは3代目の調香師による作品なんですね。
M 〈シャネル〉ならではのハッキリとした主張があって、とてもいい香料を使っているわ。有名な香水はほかにもあるけど、スパイシーなナツメグとバニラの温かさを感じるこれは知る人ぞ知る名品。
――グレーのボトルキャップなど、抑制の効いた見た目も大人な雰囲気。
M 最新作は4代目調香師のオリヴィエ・ポルジュが作った作品だけど、そもそもブルーのシリーズの初期2つは彼の父親で3代目のジャックの作品なのよ。いずれも今までになかった分野に切りこんだ意欲作。先進的な感じでしょう?
――エレガントさもあるけれど男らしい。ラベンダーやゼラニウム、サンダルウッドがガツンとやってきますね。
M 柑橘とウッディの力強さや静けさが見事に調和しているわね。
――すごくキレがいいです。
M パルファムだけど後残りがくどくなくて軽やかなのが今っぽい。有名な“シャネル N°5”もそうだけど、肌に乗せると寄り添うような香り方になるわ。
――纏って初めて完成するんですね。
M 香水が羨ましいわ〜。だってカッコいいと噂のオリヴィエみたいな男前の肌に乗れるんですもの。私も乗りたい!
――それは重そうかもしれないですね。
プール ムッシュウ オードゥ パルファム〈右〉
エレガントさが抜き出る歴史的名香
マンダリンとラベンダーの爽やかで落ち着いた印象にはじまり、ナツメグでスパイシーさを表現。やがてベチバーとオポパナクスの中にバニラの甘さが漂う。厚みのあるハーモニーを奏でてくれる香りは、大人の男が1本は持っていたい名香ともいえる。75㎖ 1万800円(シャネル)
ブルー ドゥ シャネル パルファム〈左〉
力強さと静けさが同居する新世代の香り
調香師の親子2代にわたるこのシリーズ。従来の香りのシトラスノートとウッディノートの割合に、新たに手を加えて作りあげられた新作がこちら。柑橘の清々しさ、ラベンダーやゼラニウム、そしてキーとなるサンダルウッドが巧みに交わる。100㎖ 1万6000円(シャネル)
●シャネル
TEL:0120-525-519
雑誌『Safari』1月号 P251掲載