18年ぶりのシリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ』を控えて、復習しておきたい『マトリックス』トリロジー。今回の新作は、ドラマ面では第1作めの続きと言われているが、シリーズの生みの親のひとり、ラナ・ウォシャウスキーが引き続き監督を務めるのだから、世界観が正確に踏襲されるのは間違いない。それを知るためにも、トリロジーを振り返るに越したことはない。ここでは、3部作のフィナーレを飾った『マトリックス レボリューションズ』を復習してみよう。
前作『マトリックス リローデッド』と同時に製作され、前作の約半年後の2003年11月に世界一斉公開された『マトリックス レボリューションズ』。『~リローデッド』の結末が“続く”的であったこともあり、本作もファンが劇場に詰めかけて大ヒットを記録。前作に続いてコンピューターシステムや哲学の要素を押し出したストーリー展開は少々難解で、議論を呼んだが、見応えのある物語であることは間違いない。
改めて本作の物語をたどってみよう。人類がコンピューター支配に抵抗している世界。人類の救世主となることを運命づけられたネオは危機を脱したことで未来を知る能力を手に入れる。しかし、人類のコミュニティ、ザイオンはコンピューターの猛攻により破滅の危機に陥っていた。一方、マトリックスの世界はエージェント・スミスがコンピューター・ウィルスのように増殖して機能不全に陥り、サイバー・ワールドに危機をもたらしている。ネオはコンピューター界の統括者デウス・エクス・マキナと話をつけ、コンピューターと人間の共存社会の実現と引き換えに、強大な力を得たエージェント・スミスに戦いを挑む。
ドラマを理解するうえで重要なポイントは、前作と同様に預言者オラクルやマトリックスの設計者アーキテクト、そしてデウス・エクス・マキナといった、この世界の仕組みを知る者たちの発言だ。とりわけ“アノマリー”という単語は重要で、これは例外的な存在を意味する。秩序が保たれているコンピューターの世界にも、それは出現し、システムを左右する存在となる。ここではネオやエージェント・スミスがそれにあたる。クライマックスは、いわばアノマリー同士の激突。これがマトリックスの、さらには現実世界の命運を賭けた戦いとなる。
アクションの見せ場は、まさにこのクライマックスだろう。雨が降りしきる闇に覆われたマトリックス世界で、無数のエージェント・スミスのコピーに見守られながら、ネオとスミスは超人的な身体能力を駆使して一対一の対決を演じる。重力も引力も関係ない。地面を駆け、高く宙を舞う縦横無尽のスペクタクルは、シリーズの基本色である深緑のダークな色合いも相まって鮮烈な印象を残す。
正直なところ、『マトリックス リローデッド』と本作は観念的になり過ぎて、エンタテインメントとテーマ性のバランスがとれていた第1作とは、違うテイストになった感もある。そのために賛否は分かれたが、VFX超大作を入り口にして、設定や哲学を深めていった点が面白みでもある。そういう意味では、野心的なトリロジーだったのだ。
注目の『マトリックス レザレクション』には、本作に登場したキャラクターも登場するとのこと。この3部作と同じようなポジションに置かれるのかどうかは、現段階ではわかっていない。が、この3部作を見て臨めば、理解が深まるのは間違いないだろう。
『マトリックス レボリューションズ』
製作年/2003年 製作総指揮・監督・脚本/アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー 出演/キアヌ・リーヴス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィービング
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(c)2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED
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『マトリックス レザレクションズ』オリジナルスウェットシャツ9900円(ダブルピー ウエストポイント/Safari Loinge)
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photo by AFLO