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CULTURE カルチャー

2023.12.22


【映画まとめ】ケイト・ブランシェット出演映画8選!

心理サスペンス映画5選!

『あるスキャンダルの覚え書き』
製作年/2006年 監督/リチャード・エアー 脚本/パトリック・マーバー 出演/ジュディ・リンチ、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ

孤独なオールドミスの黒い欲望にハラハラ!
定年を間近にした独身の女性教師バーバラは堅物ゆえ、同僚や教え子にも疎まれていた。そんなある日、家庭を持つ美人の美術教師シーバが教え子と関係を持っていることを知る。彼女に友情以上のものを感じていたバーバラはシーバに近づき、黙っている代わりに教え子との関係を止めるよう説き伏せる。だが、ことはこれでは終わらず、孤独をこじらせたバーバラはシーバを自分のものにしようと画策し……。

英国ブッカー賞の候補になった名著を、アカデミー賞に輝く2大女優の共演で映画化。シーバ役のケイト・ブランシェットは誰からも愛されているキャラクターを妙演。しかし、衝撃的なのはバーバラ役のジュディ・デンチだろう。飼い猫だけが友だちのオールドミスの孤独と、心の底から沸き起こる欲望が黒く染まっていくさまを体現。後に明かされる意外な事実とともに、その変容には大いにハラハラさせられる。 

 
 

 


『ベンジャミン・バトン 数奇な運命』
製作年/2008年 監督/デビッド・フィンチャー 出演/ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、タラジ・P・ヘンソン

ブラピのイケメンの変遷が一気に観られる!
若い時代から、中年になった現在まで、それぞれの年代でカッコいい男のトップに君臨し続けたブラピ。その“変貌”を一気に再現してくれるのが、この作品だ。

主人公のベンジャミン・バトンは、生まれたときに80歳の肉体で、時間とともに若返っていくという、“逆行人生”を歩む。背景となるのは、第一次世界大戦の終わりからの激動の歴史。かなり壮大で突飛なシチュエーションだが、軸になるのはベンジャミンのラブストーリー。

監督は、ブラピの起用が今回で3度めとなる鬼才、デヴィッド・フィンチャー。新たなビジュアルへの挑戦が大好きな監督ということで、特殊メイクや、顔の演技をキャプチャーしたCGなど、最大限に駆使される特殊効果が見どころ。

戦争アクションから、恋人デイジーの踊るバレエといった幻想的シーンの数々、エモーショナルな人間ドラマ……。あらゆる映画のジャンルが詰め込まれたぜいたくな内容でもある。 

 
 

 


『ブルージャスミン』
製作年/2013年 監督・脚本/ウディ・アレン  出演/ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ピーター・サースガード、ルイスC.K.

ウディ・アレンの監督作!
実業家の夫が詐欺罪で逮捕され、全財産を失ったジャスミンは、サンフランシスコで暮らす妹、ジンジャーの家に身を寄せる。ジャスミンを早く自立させようとするジンジャーだが、「インテリアデザイナーになる」という非現実的な夢を語るジャスミンに振り回されてしまう。やがてジャスミンはパーティで出会った外交官と交際を開始。過去を偽って婚約にこぎつけるが……。

ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』の主人公は、人生で最悪の状態でサンフランシスコにやって来る複雑な状況。ニューヨークで最上級の生活をしていた彼女が一文無しとなり、プライドだけは保ちながら、再スタートをもくろむ、やや自虐的部分もあるストーリーだ。旅行者ではない主人公に合わせるように、サンフランシスコの名所であるゴールデンゲートブリッジや、有名な坂道を行くケーブルカーが、これみよがしに出てくるわけではない。要するに、生活している人目線の街が描かれるのだ。街のリアルな空気を伝えるのが、ウディ・アレン監督作品らしい。

主演のケイト・ブランシェットが本作でアカデミー賞主演女優賞に輝いただけあり、とことん嫌なキャラになぜか同情してしまうから不思議! そんな彼女のニューヨークでは持ちこたえられなかった心を、同じような大都市のサンフランシスコが少しだけ軌道修正。移民社会で多様性も受け入れるこの都市は、旅行で訪れた人にも、なにか新しいスタートのきっかけを与えてくれる土地柄なのだ。
 

  

 


『オーシャンズ8』
製作年/2018年 製作/スティーブン・ソダーバーグ 監督・脚本/ゲイリー・ロス 出演/サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム=カーター 

犯罪ドリームチームが活躍する!
今回、犯罪のターゲットとなるのは、NYのメトロポリタン美術館で行われる、ファッション界最大規模のイベント“メットガラ”。多数のセレブたちも集結するなか、ハリウッド女優ダフネ・クルーガーが身につける、なんと1億5000万ドル相当のダイヤモンド・ネックレスを狙う。万全なセキュリティを突破するため、集められた7人のプロたちの完璧な計画がスタート。『オーシャンズ8』なのに7人? その理由は観てのお楽しみだ。

チームの中心となる“2トップ”を演じるのは、ともにオスカー女優のサンドラ・ブロックとケイト・ブランシェット。貫禄十分の2人を眺めていると、難攻不落の計画が、成功への“確信”に変わる。サンドラが演じるのは、『オーシャンズ』前3作でジョージ・クルーニーが演じたダニーの妹。一応、兄のダニーはこの世にいないという設定だが、果たして……? 共演陣で注目なのは、やはりオスカー女優のアン・ハサウェイ。ターゲットとなるスター女優役で、傲慢&天然な言動で笑わせてくれる。

  

 


『ルイスと不思議の時計』
製作年/2018年 原作/ジョン・ベレアーズ 監督/イーライ・ロス 出演/ジャック・ブラック、ケイト・ブランシェット 

ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットの掛け合いが面白い!
“魔法”と“少年の成長”といえば、ファンタジー映画の王道要素。その魅力を最大限に生かし、一見、子供向けのようで多くの世代にアピールするのが、この『ルイスと不思議の時計』だ。同名の原作は1973年に第1作が発刊されてシリーズにもなったベストセラー。日本にもファンが多い。

主人公は、10歳の少年ルイス。両親を亡くした彼は、まだ一度も会ったことのない、母の兄である伯父のジョナサンに引き取られる。ジョナサンの屋敷には怪しい空気が立ちこめ、ルイスは夜な夜な不審な行動をとる伯父に怯えていた。隣に住むツィマーマン夫人も謎めいている。彼らはなんと魔法使いだった! 魔法の術を教わりながら、ルイスは屋敷のどこかに隠された魔法の時計を探し、世界の破滅を止めようとする……。

なにより、“キャラ立ち”と“キャスト”の相性が完璧。ジョナサンは魔法使いといっても、その腕はポンコツで頼りにならない。『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』でも内面が女子高生になる役で爆笑させたジャック・ブラックが、今回も味わい深いコメディ名人芸を披露。一方で腕の立つ魔女のツィマーマン夫人には、アカデミー賞2度受賞のケイト・ブランシェットが扮し、なにかと上から目線の態度がハマりまくってる。すぐ口論になる2人は、まるで漫才コンビのようで面白すぎ!
 

  

 
【ネットフリックス】惑星衝突で人類滅亡の危機!?『ドント・ルック・アップ』

『ドント・ルック・アップ』
製作年/2021年 原案・製作・監督・脚本/アダム・マッケイ 出演/レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、ジョナ・ヒル、ティモシー・シャラメ、ケイト・ブランシェット、メリル・ストリープ、アリアナ・グランデ

ここまで先が読めない作品も珍しい!
天文学を専攻するミンディ博士と、教え子の大学院生ケイトが、地球に向かってくる巨大な隕石を発見。半年後に太平洋に墜落し、その被害は人類を壊滅させると予想される。あわてた2人は、アメリカ大統領に直訴するも、真剣に取り合ってもらえず、TV番組や、大企業を巻き込んで信じがたい大騒動へ発展。とりあえず彗星に攻撃を与えて進路を変えようとする作戦がはじまり……と、基本は地球滅亡のパニック映画なのだが、ノリは完全にエンタテインメント。

最初はさえない天文学者がメディアの人気者になるミンディ博士役にレオナルド・ディカプリオ。強気ながら、肝心な時に失敗する教え子のケイト役がジェニファー・ローレンス。このコンビのやりとりが最高に楽しいうえに、メリル・ストリープはアメリカ大統領役で大怪演。TVキャスターのケイト・ブランシェット、大企業CEOのマーク・ライランスと、ズラリ揃ったオスカー俳優が、それぞれ過去の作品とまったく違った演技。自身をパロったようなアリアナ・グランデも加わり、サプライズと笑いの連鎖が止まらない
 

  

 
大人こそが没入してしまう『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』の脚色に唸る!

『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』 
製作年/2022年 原作/カルロ・コロディ 製作・監督・脚本/ギレルモ・デル・トロ 出演/グレゴリー・マン、ユアン・マクレガー、デヴィッド・ブラッドリー、ティルダ・スウィントン、ケイト・ブランシェット、ジョン・タトゥーロ、ロン・パールマン 配信/ネットフリックス

新しい物語に出会ったようなサプライズと感動が用意されている!
ピノッキオの外見からして、シンプルな“木の人形”なので、これまでのイメージが一変。そして、木の人形が動き出すプロセスに、最高の手法がストップモーションであると本作を観て実感する。これはデル・トロの狙いどおりかも。ピノッキオ以外も、すべてのキャラの動きが観ているだけで愛おしいし、要所では最先端の映像テクノロジーもブレンドされているので、究極のアートを体感する印象だ。

そして新たな脚色のアイデアが絶妙。ゼペットがなぜ木の人形を作ったのか。背景となる第二次世界大戦が、どのようにピノッキオや周囲の運命に関係してくるのか。さらに、あの有名な結末はどうなっているのか……。デル・トロらしい、ややマニアックで怖い隠し味、ミュージカルとしての高揚感も含め、大人こそ没入してしまう可能性が大の本作。“生きることとは何なのか”というテーマも物語に美しく溶け込み、忘れがたい後味に浸らせてくれる。
 

 
『TAR/ター』

『TAR/ター』
製作年/2022年 製作・監督・脚本/トッド・フィールド 出演/ケイト・ブランシェット、ノエミ・メルラン、ニーナ・ホス、マーク・ストロング 

心のざわめきが止まらない!
主人公は世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルで女性として初の首席指揮者になったリディア・ター。当然、その才能は抜きん出ており、作曲者としてもアカデミー賞やグラミー賞などを受賞。難関ともいえる交響曲の録音を控え、自伝の出版も予定されている。まさに、天才の人生。

一方で問題も山積みで、新曲を作る苦闘や過去の対人トラブル、私生活でのパートナーとの関係に加え、ター自身も身勝手な行動をとるなど、とにかくトップに立つ者の生々しい実情にひたすら呆然となる物語。冒頭こそ、長回しの映像も使われゆったりした流れだが、中盤から一瞬たりとも目が離せない展開に、観ているこちらも呑み込まれてしまう感覚だ。

やや極端なこのシチュエーション。それをリアルに突きつけてくる最大の要因は、やはりター役のケイト・ブランシェットの鬼気迫る演技。超インパクトのシーンがいくつもあるが、学校でいじめを受けた娘に対する彼女の行動は、ちょっとトラウマになりそうなくらい怖い! もちろん指揮者としての動きを、ブランシェットは完璧にマスター。実際に彼女がタクトを振ったオーケストラの音楽が、そのまま本編に使われていたりもする。
 

  

 

 
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