ストレスを忘れるほど笑わせてくれる!『星の王子ニューヨークへ行く2』
長年、映画を観続けていると、スター俳優の浮き沈みも目にする。なかにはスランプに陥って、しばらく主演作がなくなってしまうケースも。しかし、そんなスターがもしも復活したなら、映画好きは嬉しくなるもの。エディ・マーフィは、まさにそんな存在!
- SERIES:
- 今週末は、この映画に胸アツ!
- TAGS:
- 今週末は、この映画に胸アツ! Culture Cinema 映画5選
『星の王子ニューヨークへ行く2』
胸アツなポイントは? “衰え知らずのエディ・マーフィに感心する!”
エディ・マーフィといえば、『ビバリーヒルズ・コップ』『48時間』などで空前の人気を獲得したが、当たり役の1つが『星の王子 ニューヨークへ行く』。アフリカの王国ザムンダの王子アキームが、花嫁探しにNYへやって来る、カルチャーギャップも楽しいコメディだ。
その続編が、じつに33年ぶりに完成したわけだが、タイムラグや古くささを全く感じさせない痛快エンタメに仕上がっている。前作で結ばれたリサとの間には3人の娘が生まれたものの、ザムンダの法律では跡継ぎは男性でなくてはならない。しかし、占い師のお告げでアキームに隠し子がいることが発覚。NYで定職もなく生活する、その息子ラベルが、ザムンダへ連れて来られるが……。
前作で話題になったエディの“1人4役”は、もちろん今回も継続。衰え知らずの彼の芸達者ぶりはもちろん、日本語吹替版では山寺宏一が声の七変化で盛り上げる。そしてコメディ部分では、エディはどちらかといえばサポート役。ザムンダに来たラベルと、彼の母親が大暴走の行動もみせ、笑いを加速する。
さらに見どころなのは、王国の宮殿で繰り広げられるパフォーマンスの数々で、音楽とダンスでノリノリのサービス精神。あらゆる要素に、最近のハリウッド映画が忘れた、シンプルな楽しさが詰めこまれているのだ。久々に素直に、リラックスして観られるコメディかも。
ザムンダ王国は、その後、作られたマーベル映画『ブラックパンサー』のワカンダ王国と似ていたりして、そんな比較も映画ファンには大きな喜びに!
『星の王子ニューヨークへ行く2』
製作・出演/エディ・マーフィ 原案・脚本/バリー・W・ブラウスタイン、デビッド・シェフィールド 監督/クレイグ・ブリュワー 出演/アーセニオ・ホール、ジャーメイン・ファウラー 配信/アマゾン プライム・ビデオ
2020年/アメリカ/視聴時間108分
photo by AFLO