スリリングな展開についていける!? 『ブラインドスポッティング』
サンダンス映画祭のオープニング作品として注目を浴びた話題作。主人公は、オークランドで育った2人の若者。同じ環境、同じイデオロギーで。けれども、違っていたのは、1人は黒人で1人は白人だったということ。この違いによって、同じ経験をしても世界の見え方は全く違っていた……という話。人種問題に加えて、3日間というリミットを設けて緊迫感をあおるなど、設定が面白い。脚本も担当した主人公2人(ダヴィード・ディグスとラファエル・カザル)の多才ぶりには、思わず脱帽してしまう!
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『ブラインドスポッティング』
ムネアツなポイントは?
人種問題に翻弄される2人の青年に胸が締めつけられる!
主人公の黒人青年コリンは、犯罪容疑をかけられて刑期を終えたものの、いまだ指導監督期間中。この期間に危険な行動は厳禁なのだ。その期間もあと3日に迫り、“完全自由”まであともう少し。そんなある日、コリンは黒人男性が白人警官に背後から撃たれる場面を目撃してしまう。これをキッカケに人種の違いによる壁が浮き彫りとなり、運命が二転三転していくのだ。3日というリミットがある中、主人公の焦りや恐怖、やるせなさを共感させる演出がうまい。物語にグイグイと引きこまれていくに違いない。
黒人のコリンは基本的には真面目な性格。一方で親友の白人、マイルズのほうが、キレやすく危険な行動が多いタイプ。まわりから「マイルズと付き合わないほうが身のため」とアドバイスされるほどだ。この2人の切っても切れない関係性が、ハラハラ感と感動を見事に盛り上げていくのも見どころ。基本はスリリングな人間ドラマだけど、笑えるシーンも多いし、ラップやヒップホップの音楽要素もテンションを高めてくれる。だから、シリアスなのにどこか心地よい気分にさせられる。この不思議な感覚、味わってみる価値アリ!
『ブラインドスポッティング』
監督/カルロス・ロペス・エストラーダ 脚本・出演/ダヴィード・ディグス、ラファエル・カザル 配給/REGENTS
2018年/アメリカ/上映時間95分
8月30日(金)より、新宿武蔵野館ほかロードショー
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