銃撃戦にカーアクションと『ザ・マザー:母という名の暗殺者』は予想以上の激しさに圧倒される!
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スターというのは、私生活の幸せと仕事の充実度が比例したりする。もちろん偶然もあるのだろうけど、そんなスターの“運気”を感じさせるのが、ジェニファー・ロペス。一時、俳優業の活躍が微妙だった彼女だが、ここ数年、インパクトの強い主演映画が相次いでいる。
歌手のマーク・アンソニーとの結婚、メジャーリーガーのアレックス・ロドリゲス選手との婚約など、華々しくも急展開なプライベートを送ってきたジェニロペ。トップ俳優のベン・アフレックとは、2002年に婚約したものの1年ちょっとで破局したことがハリウッドでも話題になったが、そのベンと、なんと2022年に復縁。現在は幸せな結婚生活が続いている模様だ。
そんなジェニロペの最新主演作は、俳優としてのキャリアをアップデートさせる役だ。タイトルが示すように、かなり複雑な運命を背負った母親である。軍隊を経験し、殺し屋となった主人公(名前は出てこない)。妊娠中に危険な目に遭いながら、なんとか娘を出産するも、その娘の安全を考えて離ればなれの人生を強いられる。しかし12年後、娘に危険が迫ると知り、身分を隠して再会を果たすのだが……。
ジェニロペが演じる“マザー”は、イラクやアフガニスタンの戦地で46人を暗殺。ライフルのM24で、1300m離れた相手も仕留める凄腕スナイパーだ。その鮮やかなテクニックと不屈の闘争心を、衰え知らずの肉体で表現するジェニロペに、誰もが惚れぼれしてしまうはず。
とくに中盤のキューバでは、敵とのチェイスで見ず知らずの相手のクルマを奪うなど、かなり強引なシーンもあるのだが、この人が演じると説得力が増すから不思議! ひたすら切羽詰まった顔を貫くジェニロペに圧倒されながら、アクション演出は全体に過激なので、思わず声を上げてしまう瞬間もある。
そしてもちろん、自分が実の母だと告白できない娘との関係はドラマチック。そんな状況にもかかわらず、娘に自分の能力を受け継がせようとする展開は、予想どおりとはいえ、本能的に心を揺さぶられるだろう。スターの“カリスマ性”を存分に堪能できる一作だ。
『ザ・マザー:母という名の暗殺者』配信中
原案・製作・脚本/ミシャ・グリーン 製作・出演/ジェニファー・ロペス 監督/ニキ・カーロ 出演/ジョセフ・ファインズ、ルーシー・パエス、オマリ・ハードウィック、ガエル・ガルシア・ベルナル 配信/ネットフリックス
2023年/アメリカ/上映時間117分
© 2023 Netflix, Inc.