顔で選んで走りで感動! 〈アストンマーティン〉DB11 AMR
「顔で選ぶ」な〜んてカゲキな一言を、ことパートナー選びに当てはめちゃったら、総スカンを食らうこと必至⁉ だけど実はコレ、心理学的には意外に深〜い行動なんだとか。たとえば、いくらひどい喧嘩をしたって、顔がタイプならば「……かわいいからいいか」と許してしまうなど、攻撃的な心理状態が持続しにくいそうな。しかしことクルマに関して、特にこのクルマにだったら、堂々「顔で選んだんだよね」って宣言しても、満場一致で納得してくれるんじゃない? 〈アストンマーティン〉DB11だ。
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実に13年間というロングセラーモデルであったDB9の後継として、2016年に登場したDB11。現在は5.2ℓV12ツインターボ以外にもカジュアルなV8のクーペとヴォランテが追加され、価格的にも間口を広げている。
目の前にすると、やっぱりこの存在感は唯一無二だ。アクセルペダルを踏む前からコチラの口許を緩ませるなんて、そう多くのクルマにできることじゃない。実はメタル装飾をかなり排除したシンプルなデザインは、それぞれのパーツ(ライトやグリル)がことのほか控えめに配置されている。
写真はすべて〈アストンマーティン〉DB11 AMR
しかし、それらを伸びやかな長〜いボンネットに完璧に配置すると、高いパフォーマンスを期待させるような表情を持つんだから不思議だ。短いキャビンを挟んだら、なめらかな曲線に包まれてリアフェンダーがグラマラスに張り出す。とはいえ、あくまでも上品さと気品をたたえさせているのはさすが〈アストンマーティン〉のなせる技だ。
そして、もうひとつの〈アストンマーティン〉の得意技がレザーワーク。まるで歴史ある高級メゾンで仕立てたオーダーメイドのハンドバッグのようなステッチとパンチングの組み合わせが見事。まるでショーウィンドウを覗きこむときのような、厳かな気分に包まれてしまう。手触りも素晴らしいから、つい時間を忘れて撫で続けてしまうかもしれない。
さて、ここまで美しいDB11だから、やはり最上級エンジンであるV12を搭載するDB11 AMRを選んでいきたいところ。レーシングスピリットが遺憾なく注ぎこまれたおそろしいスペックだ。期待を裏切ることは1000%ない。
始動から乾いた独特のサウンドでドライバーを楽しませてくれるけれど、それはほんの序章。ひとたびアクセルペダルを踏みこんだときのしなやかな加速ときたら!
そう、実はこのモデル、最高スペックまで使い切れないほど豊かなトルクを持つのだけれど、一般使用域でのなんともいえないエレガントな身のこなしも抜群。特に感動的なのはこのなめらかな加速に途切れ目のないことであって(低速域で、先代DB9はややクセがあったから)、一般道使用域から完璧なマネジメントが快適なのだ。
そう、この二面性というか、ドラマチックな内外装を、最高にいい意味で裏切ってくれることこそ最大のサプライズ。むろん、3段階の走行モードを過激にすれば、期待どおり、いやそれ以上の過激な一面を惜しげなく見せつける。
★DATA 〈アストンマーティン〉DB11 AMR
●全長×全幅×全高:4750×1950×1290mm
●車両重量:1910kg
●ホイールベース:2805mm
●エンジン:5.2ℓV型12気筒ツインターボ
●最高出力:639PS/6500rpm
●最大トルク:700Nm(71.4kgm)/1500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:2768万6388円
●アストンマーティン ジャパン
TEL:03-5797-7281