ヘネシー家の御曹司が送る大人がラフに使える香り!
今回は香りだけでなく、ブランドの創立者にも注目して欲しい。なんと、コニャックで有名なヘネシー家の御曹司なのだ。そんな彼が送る香りは、親しみやすい香料で大人が気負わずに身に纏える⁉
- SERIES:
- 同じブランドでも“香り”は大違い! Vol.49
[キリアン]
KILIAN
フレグランスアドバイザー
MAHO
外資系メーカーや香水関連会社を経て独立。セミナー講師のほか、パーソナルカウンセリングサロン“プライベート トワレ”を運営。
――欧米で大人気の〈キリアン〉が、ようやく日本に上陸しました。実は本連載もこれで最終回を迎えますが、最後にふさわしいブランドとなりました。
MAHO(以下M)実は、名門ヘネシー家の御曹司、キリアン・ヘネシーが自身の名前を冠したブランドで、有名調香師を迎えて様々なコレクションを展開しているの。共通するのはとにかく見た目がラグジュアリーで、ボトルやコフレ ボックスの細部にこだわり抜いているところ。
――香りはというと定番“ムーンライトイン ヘブン”は、グルマンな感じですね。
M そうね、マンゴーやココナッツが海辺を想起させるから使いやすいはず。ラムとか洋酒を感じさせるのは、やはりヘネシー家の出自ゆえかしらね。
――ここの香りにしては軽めですよね。
M あると便利な1本ね。新作の“ダーク ロード エクス テネブリス ルクス”はレザーとウッディ調できれいにまとまっているの。ボックスにスカルが付いているから一瞬驚くけど、こちらも気負わないし、ヌケ感まであるのよ。
――ウェットな重たい感じはしません。
M ダバナという植物から抽出する希少な香料が効いていて、これからトレンドになるわよ。それを巧みに織り交ぜるところなんて、さすがだわ〜。
――キリアン氏はソルボンヌ大学卒業後、香水を学んだそうですね。
M 生まれも最高なのに努力も惜しまない天才。そのうえ、セクシーなイケメン。そんな人どこにいるのかしら?
――最終回もそのノリなんですね。
M 連載もひと段落したから、私は香水を愛するイケメン御曹司探しの旅に出るわね! みなさんもお元気で〜。
ダーク ロード エクス テネブリス ルクス オード パルファム〈右〉
豪華なスカル付きボックスにも注目!
“闇夜の紳士”と名づけられたミステリアスな香調。情熱的なジャスミンサンバックとダバナ、官能的なラム、レザーと男をアゲる香りのオンパレード。ラフになりすぎず、上品さも湛えている。調香師はアルベルト・モリヤス。50㎖3万4000円(キリアン/キリアン お客様相談室)
ムーンライト イン ヘブン オード パルファム〈左〉
親しみやすくエキゾチックな2面性
“月明かりが導く禁断の楽園へのエスケープ”を表現したロマンチックな香り。ピンクペッパーベリーのスパイシーさと柑橘の爽やかさ、トンカビーンズやマンゴーの甘さのハーモニーが見事。調香師はカリス・ベッカー。50㎖ 3万4000円(キリアン/キリアン お客様相談室)
photo : Mamoru Kawakami
text : Gaku Fujimura