自由を謳歌する姿に思わず憧れる!『ビーチ・バム まじめに不真面目』
今年もアカデミー賞授賞式が無事開催された。やはり俳優にとっての大きな目標は、オスカー像を手にすること。その目標を達成すれば、出演オファーが増えるのはもちろん、余計な心配をせずに、自由に役のチョイスができるようになる。これは7年前に『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞主演男優賞に輝いたマシュー・マコノヒーが主演。新作を観れば、その自由度を納得できるはず!
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『ビーチ・バム まじめに不真面目』
胸アツなポイントは?
“キーウエストの開放的な風景に心トキメクはず!”
この『ビーチ・バム』の主人公、ムーンドッグは、かつて天才詩人と称された男。しかし今は、フロリダ州のリゾート、キーウエストで“酒と女”の自堕落な日々を送っている。彼をはじめ、なにかと助けてくれる富豪の妻も浮気相手がいたりなど、とにかく出てくる人物が自由を謳歌しているのだ。しかしある事件から、ムーンドッグは無一文のホームレス(=バム)になってしまう。
船の上に裸の美女たちをはべらせ、常に飲んだくれ。飽きたら釣りやゴルフに興じ、たまにタイプライターで詩作する。そんなパラダイスのような生活が豪快に描かれ、観ているだけでこちらも日常を忘れてしまうほど。キーウエストのキラキラした海辺や、ゴージャスな邸宅に心がときめくのは確実だ。
なにもかも一般人とは別次元のムーンドッグで、マシュー・マコノヒーの演技もやりたい放題のレベル。髭面のロングヘアーで、なぜかフェミニンなファッションも似合っていたり……。ここまでぶっ飛んでいて、しかも憎めないキャラに仕立てたマコノヒー。まさにオスカー俳優の本領発揮だ。
ムーンドッグは劇中で「クズだけど才能がある」と形容されるが、そんなふうに言われることに憧れを抱く人も多いのでは!? 監督のハーモニー・コリンは、19歳で撮った『KIDS/キッズ』が話題を呼び、近年も〈グッチ〉のCMシリーズや、ビリー・アイリッシュやリアーナのミュージックビデオを手掛け、常に流行の先端を走る才人。生々しいドラマもある本作を、どこかお洒落な味わいに仕立てたのも、さすがの才能だ。
『ビーチ・バム まじめに不真面目』
監督・脚本/ハーモニー・コリン 出演/マシュー・マコノヒー、スヌープ・ドッグ、アイラ・フィッシャー、ザック・エフロン、ジョナ・ヒル 配給/キノシネマ
2019年/アメリカ/上映時間95分
2021年4月30日よりキノシネマほか全国順次ロードショー
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