信念を曲げない男たちに憧れる!『シカゴ7裁判』
2020年は新型コロナウイルスの影響で、ハリウッド作品の公開も激減。アカデミー賞を狙う傑作も限定的になりそうな予感だが、そんな状況で逆に注目度がアップしているのが、配信系の作品。このネットフリックスの『シカゴ7裁判』も賞レースに絡む可能性が高い1本として、見ごたえ、感動ともにハイレベルだ!
- SERIES:
- 今週末は、この映画に胸アツ!
- TAGS:
- 今週末は、この映画に胸アツ! Culture Cinema
『シカゴ7裁判』
胸アツなポイントは?
“巧みな演出で熱血男たちに引きこまれる!”
妙にかっこいい響きの“シカゴ7”。これは1968年、ベトナム戦争への派兵に反対し、民主党大会でデモを起こそうとしたとされる活動家7人のこと。彼らが扇動したデモによって、警察側と激しい衝突が起こり、数百人の負傷者が出た。シカゴ7(セブン)と呼ばれた彼らの裁判は、全米の注目を集めることになる。
こんな風にストーリーを書くと、やや堅苦しい社会派の印象で、法廷での密室ドラマが予想されるが、映画の冒頭から裁判官とシカゴ7のやりとりがちょっと笑えたりして、脚本の巧さに引きこまれてしまう。監督と脚本を担当したのが、『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞脚色賞に輝いたアーロン・ソーキンなので。このあざやかさも納得!
裁判中に出てくる数々の証言や、意外な事実など、法廷の外での再現シーンもたっぷり。デモ隊vs警察のアクションは過激だし、手に汗握る緊迫感も充満する。やや複雑な人間関係も、それぞれが役者の魅力でキャラ立ちしているのですんなり理解できるはず。
特にベテラン陣の演技が味わい深く、本心を表に出さない弁護人のマーク・ライランス、実に嫌味な裁判官のフランク・ランジェラは今年の助演男優賞に推したいほどのインパクトなので注目を。終盤はいかにもハリウッド作品らしいエモーショナルな流れなのだが、素直に心が揺さぶられる人も多いのでは? ベトナム戦争時代の実話ながら、今を生きる我々に訴えてくる強靭なテーマをもった一作!
『シカゴ7裁判』
監督・脚本/アーロン・ソーキン 出演/エディ・レッドメイン、アレックス・シャープ、サシャ・バロン・コーエン、ジェレミー・ストロング、ジョゼフ・ゴードン=レビット、マイケル・キートン 配信/ネットフリックス
2020年/アメリカ/130分
Netflix 映画『シカゴ7裁判』10 月 16 日(金)より独占配信開始