ネットフリックス『スペースマン』は孤独な宇宙船の中で衝撃の体験をするSF作!
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このところ民間人の宇宙旅行のニュースなども目にするようになり、ハリウッドではトム・クルーズが宇宙空間で撮影の可能性なんて話も出たが、一般の人たちにはまだまだ手の届かない世界。宇宙での感覚がどんなものなのかは、本作のような映画で擬似体験するのもいいだろう。
『スペースマン』の主人公は、チェコの宇宙飛行士ヤコブ。木星の向こう側に広がる、チョプラと呼ばれる雲を調査するミッションに、わずか一人で挑んでいる。地球に残った妻は妊娠中。ヤコブは広い宇宙空間で、孤独のためにやや精神的な限界も感じていた。そんなある日、宇宙船内で“何か”の存在を感じはじめるヤコブ。地球から遠く離れたこの場所で、彼には信じがたい運命が待ち受けていた……。2017年に発刊された小説『ボヘミアの宇宙飛行士』の映画化。宇宙でのミッションを展開するのがヨーロッパのチェコというのが斬新で、しかもライバルの国が韓国。グローバル化が進んだ未来を観ているような感覚を味わえる。ヤコブを演じるアダム・サンドラーは、得意のコメディ演技を封印し、シリアスさで勝負。妻レンカは『マエストロ:その音楽と愛と』で今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたキャリー・マリガンで、彼女の絶好調ぶりがうかがえる。
宇宙空間での孤独ということで『ゼロ・グラビティ』や『月に囚われた男』、『ソラリス』といった過去の映画がシンクロする本作。ユニークなのは、宇宙船と地上の交信システム。チェコの通信会社が最先端テクノロジーを駆使し、ヤコブの体調管理から、精神的カウンセリング、もちろん宇宙船の細かい動作までリアルタイムでサポートする。さらにヤコブの活躍を利用したCMなど、宇宙飛行士をヒーローに仕立てる“商売”も物語の絶妙なスパイスになっている。ヤコブの船内での体験については、予備知識ナシで観れば、かなりのインパクト。その体験によって、宇宙や人間の真理にも迫っていくのだが、衝撃と幻想的なビジュアルに身を任せることで、不思議な快感がもたらされる……という異色の一本だ。
『スペースマン』ネットフリックスで配信中
原作・製作総指揮/ヤロスラフ・カルファシュ 監督/ヨハン・レンク 脚本/コルビー・デイ 出演/アダム・サンドラー、キャリー・マリガン、クナル・ネイヤー、ポール・ダノ
2024年/アメリカ/視聴時間108分
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