俳優J・セローを見るとよくわかる!
“ブレないお洒落”の作り方!
若いうちはいろんなアイテムに挑戦して、バリエーション豊かにお洒落を楽しむのもいい。でも、いい歳の大人ともなると話は別。自分らしいスタイルを確立して“ブレないお洒落”を貫くのがかっこいいってこともある。そのいいお手本として見てほしいのが、俳優で映画監督のジャスティン・セローだ。
彼のお洒落は気持ちいいほど一貫している。なぜ、そう見えるのか? それを紐解く前に、まずは4年前と1年前の冬の着こなしを見てほしい。
2017年冬 2020年冬左が2017年の冬。そして右が2020年冬の着こなし。この2つのスタイルの間には3年もの月日が流れているんだけど、写真を見る限り、正直それを感じることはない。その理由は、ジャスティンの選んだアイテムと着こなしの中には、トレンドとは無縁と思える“彼の好み”がちゃんと反映されているから。
たとえばボトムは、ともにスリムテイパードのデニムにブーツ合わせ。すっきりとスタイリッシュなフォルムがお好みなのがわかるはず。そしてトップに目を移すと、ともにミリタリーテイストのジャケット使いをしているのが共通点。ちなみにどこかにミリタリーテイストを入れこむのが、昔も今もジャスティンのお洒落流儀。コレ、ほとんどの着こなしで見受けられるから、もしかして「タフな見た目じゃないと自分らしくない」と思っているのかもしれない。
そして、そんな“ジャスティンらしさ”と彼の“ブレないお洒落観”は、今季の着こなしを見るとさらによくわかるから面白い。で、今季の彼のボトムは、スリムテイパードデニムと、これまたテイパードシルエットのカーゴパンツの2択。それに合わせて、トップをいろいろとアレンジしているのだが、それぞれアイテムは違えども不思議と一貫したスタイルを確立している。では実際それがどんなものか? さっそく見ていこう。
細身のグレーダメージデニムと履きこんだワークブーツに、古着と思しきボア襟のN-1デッキジャケットを合わせたジャスティン。ミリタリーっぽいカーキのトップはまさに彼らしいポイント。ボア襟とハット、そして首元のスヌードと手袋の色合わせテクを駆使して、ヴィンテージ感漂う着こなしにピリッとアクセントを加えているのは上手い!
デニムは上の写真と同じものだが、着こなしはヴィンテージ感控えめ。足元はやはり黒のブーツ合わせだ。襟ナシのキルティングジャケットは彼の大好物なのだが、もちろん色はミリタリー色であるオリーブグリーンを選択。ワッチキャップも同色でリンクさせて、バランスをとることを忘れていない。そしてここでも、Tシャツや手袋、マスクやサングラスに黒を選んで、全体をピリリと引き締めている。
同じデニムの着こなしをもうひとつ。この日も足元は黒ブーツ(黒ブーツだけでもいろいろ持っている)だが、トップは暖かみのあるボアフリースコートとタートルセーターでゆったり感を演出。とはいえコートはしっかりとオリーブグリーンをチョイス。しかも襟ナシタイプと、お好みにブレはない。ワッチキャプもそうだが、お犬様の服にもオリーブグリーンを選んでいるのも泣かせる。
デニムがブルーに変わっても、シルエットは好みのスリムテイパードのまま。そしてジャケットはミリタリーの基本色であるカーキ、さらに襟ナシのキルティングタイプなのは恐れ入る。ジャスティンは基本的に短丈ジャケットがお好みのようだが、実はその選択はスリムテイパードのデニムとバランスよくマッチ。いくら冬の着こなしであっても重い印象にならずに、むしろ軽快感すら窺えるのは、やっぱり彼のセンスのよさ⁉
グリーンのカーゴパンツもデニム同様、季節を問わずジャスティンが愛用するアイテム。だが、彼のパンツはよくある骨太な定番ものにあらず。股上が浅く細身のテイパードシルエット。サイドのカーゴポケットも斜めにあしらわれ、大胆にデザインされたものだ。こうなるともはやジャスティン好み。相変わらずのブーツ履きはこの日も。そして黒の襟ナシジャケットに合わせ、小物まで黒で統一。精悍な印象を強めている。
最後はコチラ。ボアジャケットにカーゴ風楽チンパンツ、そしてスニーカーを履いた姿を披露したジャスティン。どれもトレンドど真ん中なアイテムだけに、着実に着こなしをアップデイトしている感アリ。そうなると、これまでの着こなしとはうって変わって……と言いたいところだが、変わったのはアイテムだけ。彼の好みはそこにしっかりと窺える。だって、パンツのシルエットは? ミリタリーテイストは? ピリッと締まる黒使いは? ホラ、なんにもブレていないでしょ? そこがスゴイ!
どうですか? ジャスティンの着こなしはどれをとっても彼らしい筋が1本通っているでしょ? まあ、いい歳の大人ともなると、本当に自分の好きなアイテムやテイスト、着こなし方がわかってくるもの。それが自分なりの“お洒落のガイドライン”となるんだけど、そのガイドラインに素直に従っているのがジャスティン。もちろん彼からすると、「ただ好きなものを着ているだけ」ということになるんだろうけど、ブレないお洒落のポイントはどうやら自分なりのガイドラインにありそう。でもね~、たまには違った格好をしたくなるのも人情というもの。それに気に入ったアイテムもいろいろ違ってくるし……って、わかりますよ、その気持ち。う~ん、でも、いつまでもそうだと、1本筋の通ったお洒落はまだまだ先!?