ファッションにおいて幅広く活用できるグレーカラー。ビビッドなカラーと異なり、いわゆる“悪目立ち”してしまうリスクもなく、上品さや洗練を表現できる色味。そんな大人にとって頼りになるグレーカラーをまとったタイムピースが〈オメガ〉から登場した。それがシーマスター プラネットオーシャン ダークグレー。ご覧のように文字盤やケースなど、外装のほとんどがグレーで統一された1本。これなら冬のモノトーンコーデを手元から格上げしてくれそうだ。
このモデルはありきたりなグレーウォッチではない。真価はカラーリングというよりむしろそのグレーの“素材”にあり、素材ならではクオリティがこの配色の根幹となっている。
その素材は、今回〈オメガ〉が自社で初めて実用化したセラミック素材“窒化ケイ素セラミック”(シリコン ナイトライド セラミック・Si3N4)。この素材は従来の、一般的に用いられることが多いジルコニウムを原料としたセラミックに比べ、重量が約1/2と“超”軽量。耐久性も高く、従来のセラミックがそもそもステンレススチールなどの金属素材に比して軽量かつ強靭であることを考えると、飛躍的なスペックを備えた“スーパーマテリアル”と言えよう。
そのシリコン ナイトライド セラミックがケースやベゼルリング、ケースバックといった主要な外装部品に贅沢に使われている。〈オメガ〉は、2013年に時計業界でいち早く従来は実現が困難とされていたフルセラミックのモデルを発表し、以来この素材と向き合い続けているオーソリティ。技術やノウハウをさらに進化させ、性質だけでなく審美性においても突出した特性を誇る新素材でまたもやライバルに差をつけた。
一方、ケースの色みと均衡を保ちつつ、このモデルの美観の肝となっている文字盤とベゼルトップには、航空宇宙産業などでも活躍するグレード5のチタンが採用されている。チタン独特の高級感のある質感が、外装のベースとなるセラミックの硬質な表情とたえなるハーモニーを奏で、本来は機能性一徹であるダイバーズの領域を超えるほどのエレガンスを醸し出している。
驚くべきことに、このモデルではなんとムーブメントにもチタンが採用されている。搭載されるCal.8906Tiは従来の機種で用いられているパワーリザーブ60時間、1万5000ガウスの高耐磁性能を誇るマスター クロノメーター Cal.8906を新たにグレード5のチタンで製造したもので、外装素材と相まって本体重量わずか107gという超軽量を実現。実際に装着すると、ケース径45.5㎜のビッグフェイスからは想像できないほどの軽やかさだ。ファッショナブルなファブリックパターンをあしらったラバーストラップもフィット感に優れ、“扱いやすさ”も格別。
ケース径45.5㎜、自動巻き、シリコン ナイトライド セラミックケース、ラバーストラップ、600m防水。343万2000円。(オメガ/オメガお客様センター)
シーマスター プラネットオーシャンは2005年に同社の看板コレクションであるシーマスターに加わった上位ラインで、このモデルは通常のレジャーダイビングではオーバースペックと言える600m防水を備え、ケース左サイドには専業ダイバーが行う飽和潜水用のヘリウムエスケープバルブを搭載する。
さらに、異なるタイムゾーンの現在時刻を表示するGMT機能も備えるなど、あくまで本領は機能性重視のハイスペック。見惚れるような瀟洒なグレーフィニッシュは圧倒的な実力、あえて擬態語を交えて表現すれば“ゴリゴリのプロ仕様”をスマートに包み込み、普遍的な実用品へと昇華させる同社らしいデザイン手法。果たしてその守備範囲は週末のアウトドアから週日のオフィスまで、限りなく広いだろう。
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