
『aftersun/アフターサン』
製作年/2022年 監督・脚本/シャーロット・ウェルズ 出演/ポール・メスカル、フランキー・コリオ、セリア・ローソン=ホール
ぎこちない父娘の幸せなひととき!
11歳の夏休みに、離れて暮らす父(ポール・メスカル)と共にリゾート地にやってきたソフィ(フランキー・コリオ)。まぶしい太陽の下、ビデオカメラを互いに向け合い、楽しい時間を過ごす2人にとっては、キラキラと輝く海の光景からアフターサンクリーム(日焼けケアクリーム)の香りまで、すべてがかけがえのないものだった……。“大切な記憶”の中にいる父と同じ年齢になった女性が、そのビデオの映像を見ながら、当時は知らなかった父の一面を見つけていく。ちょっぴりぎこちない父娘の幸せなひとときはもちろん、若くして娘を持った父の繊細さ、父を見つめる娘のピュアな想いなど、そのすべてに涙が出る。ヒリヒリとした痛みを伴うラストにも、やるせない涙が。

『親愛なるきみへ』
製作年/2010年 原作/ニコラス・スパークス 監督/ラッセ・ハルストレム 脚本/ジェイミー・リンデン 出演/チャニング・テイタム、アマンダ・セイフライド、リチャード・ジェンキンス
愛し合う2人に訪れる試練とは?
涙活の強い味方とも言うべきニコラス・スパークスの恋愛小説を、『ギルバート・グレイプ』ほか数々の感動作で泣かせてきたラッセ・ハルストレム監督が映画化。兵士のジョン(チャニング・テイタム)と大学生のサヴァンナ(アマンダ・セイフライド)は、故郷の海辺で出会って恋に落ちる。だが、2週間後、ジョンは再び任地へ。2人は文通しながら遠距離恋愛を続け、ジョンの除隊後に結婚することを誓うが、思わぬ運命が2人の未来を切り裂いていく……。9.11同時多発テロなど、さまざまな事態が愛し合う2人に立ちはだかる中、ジョンの事情、サヴァンナの事情、それぞれに泣かされること間違いなし。劇場公開当時も大勢が映画館へ詰めかけ、涙を流した。

『メッセージ・イン・ア・ボトル』
製作年/1999年 原作/ニコラス・スパークス 製作・出演/ケヴィン・コスナー 監督/ルイス・マンドーキ 脚本/ジェラルド・ディペゴ 出演/ロビン・ライト、ポール・ニューマン、ジョン・サベージ、イリアナ・ダグラス
切なすぎる結末に号泣!
こちらもニコラス・スパークスの同名小説が原作だが、やはり涙活視点から考えるとスパークス原作映画にハズレなし。新聞社で働くシングルマザーのテリーサ(ロビン・ライト)は、浜辺に打ち上げられたガラスの瓶を拾う。その中に入っていたのは、すでに亡くなっているらしき女性に宛てた愛の手紙だった。手紙の送り主に興味を抱いたテリーサはやがて、その男性ギャレット(ケヴィン・コスナー)に会いにいくが……。大人のラヴストーリーの中で当時40代のケヴィン・コスナーが愛を失った男を演じ、涙を誘う。そんな彼と新たな愛を紡ごうとするヒロインもいじらしく、その切なすぎる結末に号泣。

『君の誕生日』
製作年/2019年 監督・脚本/イ・ジョンオン 出演/ソル・ギョング、チョン・ドヨン、キム・ボミン
セフォル号沈没事故が題材のヒューマンストーリー
船の沈没事故で息子を失った悲しみを抱えて生きる父ジョンイル(ソル・ギョング)と母スンナム(チョン・ドヨン)。やがて事故後初めて迎える息子の誕生日が近づき、スンナムはいたたまれない気持ちに。一方、ジョンイルは事故当日の出来事が原因で、ずっと罪悪感を抱えたままだった……。2014年、修学旅行中の高校生らが犠牲になったセフォル号沈没事故を題材に、遺族の喪失と愛、そして再生を描くヒューマンストーリー。韓国映画界を代表する名優、ソル・ギョングとチョン・ドヨンが夫婦を演じ、大事な子供を亡くした者の悲痛な心の叫びを轟かせる。監督のイ・ジョンオンが実際のボランティア活動で遺族と接する中で生まれた物語は切なくも優しく、ただただ涙が溢れてくる。

『プーと大人になった僕』
製作年/2018年 監督/マーク・フォスター 脚本/アレックス・ロス・ペリー、トム・マッカーシー、アリソン・シュローダー
あの頃と変わらないプーと仲間たちに心が救われる!
親友のプーや森の仲間たちと別れた後、学校生活や近親者との死別、戦争などを経て大人になったクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)。現在の彼は仕事に追われ、家族との時間も持てずに悩んでいた。そんなクリストファーの前に、プーがあの頃と変わらない姿のままで現れる。プーに導かれて思い出の“100エーカーの森”を訪ねた彼は、森の仲間たちとの再会を喜ぶが……。ディズニーのキャラクター、『くまのプーさん』の物語を実写化。子供の頃の気持ちを忘れてしまったクリストファーが、プーと仲間たちによって“大切なもの”に気づかされていく展開に涙。ノスタルジックで味わい深い質感のプーさんやティガーらを見るだけでも涙が出てくる。
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photo by AFLO