生々しい戦場シーンに驚愕!『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』
戦争アクションは、長い映画の歴史でも一大ジャンルになっている。が、その中でもつねに題材となって新作が登場するのが“ベトナム戦争もの”だ。ネットフリックスでのスパイク・リー監督『ザ・ファイブ・ブラッズ』に続き、またもやベトナム戦争を描いた渾身作が公開される。
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『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』
胸アツなポイントは?
“レジェンド俳優たちの迫真の演技に胸が締めつけられる”
1966年のベトナム戦争下で、空軍落下傘救助隊のピッツェンバーガーが、ヘリから地上に飛び降り、負傷兵たちの救出をはじめる。結局、彼は命を落としてしまい、その勇敢な行動に対し、両親や戦友が名誉勲章の授与を嘆願。しかし、30年以上もその願いが受け入れられなかった。そのことで、新たな調査がはじまる。
自らの命を犠牲にして、仲間を助けた英雄のストーリーに、ベトナムでの生々しい戦場シーンが重なり、30年後の物語と行き来していく。生き残った戦友の後悔やトラウマはもちろん、亡き息子にせめてもの勲章を、という老いた両親の苦しみが、過剰にエモーショナルにならず、じっくり迫ってくるスタイルで演出された一作。
この映画、シブい名優たちの豪華共演も見どころ。調査を進める空軍省の主人公こそ、マーベル映画のウィンター・ソルジャー役でお馴染みのセバスチャン・スタンだが、トラウマに苦しみ続ける戦友役のサミュエル・L・ジャクソンに、エド・ハリス、オスカー俳優のウィリアム・ハートと、実力派オールスターがズラリ。
さらに遺作となったピーター・フォンダに、2021年2月に亡くなったばかりのクリストファー・プラマーが、ピッツェンバーガーの父役で出演。レジェンド俳優の最後の演技に、その役どころが重なり合って、胸が締めつけられるのは確実だ。
ベトナム戦争の大傑作『ディア・ハンター』に出演したジョン・サヴェージの役柄も切なく……と、戦争アクションと最高レベルの演技合戦を心から堪能できる、ある意味で、贅沢な仕上がりなのである。
『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』
監督・脚本/トッド・ロビンソン 出演/セバスチャン・スタン、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ 配給/彩プロ
2019年/アメリカ/上映時間116分
2021年3月5日より、シネマート新宿ほか全国ロードショー。
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