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CULTURE カルチャー

2020.05.22


ある男の苦しみを乗り越える生き様に共感!『ザ・ライダー』

2017年のこの映画に、改めて注目してほしい理由がある。あまりに傑作だったので、監督クロエ・ジャオがその才能を認められ、マーヴェルの大作『ジ・エターナルズ(原題)』に大抜擢されたのだ。とはいえ、『ザ・ライダー』はアクションエンタメ系ではない。ひとりの男の人生の岐路をじっくり描き、奥深い感動に浸らせるヒューマンドラマだ。

『ザ・ライダー』
胸熱なポイントは?
“カウボーイと馬の奇跡的な友情に驚く!”



主人公のブレイディは、ロデオの乗り手で馬の調教師という、典型的なカウボーイ。だが、事故で大ケガを負ってしまう。そのことで頭部に後遺症が残り、指先は思うように動かなくなった。生活のために金を稼ぐ道を探すことになるのだが、ブレイディはロデオ、そして馬との交流を断ち切れないでいた。そんな中、将来有望な若い馬と出会う……。

カウボーイという職業は日本人にとってあまり馴染みがないが、たとえばの状況を考えてほしい。アクシデントで自分の“天職”だと思っていたことを続けられなくなったらどうする? 恐らく誰であっても、出口の見つからない葛藤を繰り返すであろう。そんな主人公の葛藤に、共感せずにいられないのが本作の持ち味なのだ。

さらにこの映画で驚くのが、ブレイディやその家族、ロデオ仲間などの登場人物を、モデルとなった本人たちが演じている点。演技経験ゼロだった彼らが見せる真に迫った表情に、何度も胸を打たれる。暴れ馬を乗りこなすロデオのシーンも超リアルだし、ここで描く馬と人間の友情には、“本物”だから出すことができた奇跡の瞬間が宿っている。

馬という生きものは、なぜか見ているだけで人間の本能を刺激する。そんな不思議な感覚をブレイディの目線で味わえる一作。心洗われる体験をしたい人には、文句なしにオススメしたい。

『ザ・ライダー』
製作・監督/クロエ・ジャオ 出演/ブレイディ・ジャンドロー、ティム・ジャンドロー 配信/ネットフリックス他
2017年/アメリカ/104分

文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
photo by AFLO

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