生産終了、その前に! 〈レクサス〉LC500
「あのV8サウンドを新車で味わえなくなるの!?」と思わず聞き返したくなるくらい、それはショッキングなニュースだった。〈レクサス〉のラグジュアリークーペとして圧倒的な存在感を放ってきた「LC500」が、2026年8月をもってついに生産終了を迎えたのだ。完全に手遅れになってしまう前に、成熟の極みにある、この傑作の走りを体感しておきたい。そんな思いから、さっそくステアリングを握り、その真価を品定めすべく最後のドライブへと連れ出した。
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スタートボタンを押した瞬間に目覚める5.0ℓV8ナチュラルアスピレーションエンジンの重厚な咆哮は、2017年の発売開始の頃となにも変わらない。むしろダウンサイジングエンジンが当たり前のイマだからこそ、より鮮烈な歓びを連れてくるといってもいい。ちょっと手応え? 足応え? のあるアクセルペダルを踏み込めば、ダイレクト感に満ちた10速オートマチックトランスミッションが間髪入れずに路面にパワーを伝える。どのギアからでも湧き上がる、力強い加速と高回転域までの伸びやかなフィールは、初期モデルより今のほうが研ぎ澄まされている、といってもいい。そう、最終型は2025年に商品改良が施されていたのだ。
そんな最新モデルでは、ドアストライカの構造変更をはじめとする徹底的な見直しにより、ボディ剛性感が一段と向上している。ステアリングを切った瞬間に感じられるリニアな応答性と抜群の安定性は、まさに〈レクサス〉が磨き上げてきた「Lexus Driving Signature」の完成形といえる仕上がりだ。ボディがより堅牢になったことによりフラットになったキャビンに加え、コーナリングでぐっとターンの先を目指すノーズのしなやかなバランスにシビレる。意のままにマシンを操る爽快感と、洗練されたしなやかな乗り心地が見事同調していくのだ。
もちろん、低いシルエットとグラマラスなリアフェンダーが織りなす美しいFRプロポーションや、上質な素材で仕立てられたコックピットの魅力も健在だ。特に、丁寧に作り込まれたドア周りなどは、触れるたびに匠の技をこの手に感じることができるし、どう見たってやっぱりこのデザイン、流麗すぎる。
大排気量V8と後輪駆動という伝統的なパッケージで走る楽しさを突き詰めたLC500は、間違いなく時代を象徴する名車だ。生産終了となった今、この官能的なV8クーペを味わう機会が失われたのは寂しい限りだが、熟成を極めた最終型の走りを体感できたのはまさに眼福ならぬ“感福”。この色あせない走りの余韻とロマンを、是非記憶に焼きつけてほしい。
★DATA 〈レクサス〉LC500“Sパッケージ”
●全長×全幅×全高:4770×1920×1345㎜
●車両重量:1950kg
●ホイールベース:2870㎜
●エンジン:5.0ℓV型8気筒
●最高出力:351kW(477PS)/7100rpm
●最大トルク:540N・m(55.1kgm)/4800rpm
●トランスミッション:10速オートマチック
●駆動方式:後輪駆動
●税込み価格:1493万円
●レクサス インフォメーションデスク
TEL:0800-500-5577
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