スニーカー通が選ぶ、 今こそ名作“ジャーマントレーナー”!
スニーカー人気が覚めやらぬ中、クラシックなデザインに回帰する人が増えている模様。昨今デザインの過激度がインフレしっぱなしですが、結局ベーシックなスニーカーの方がなんだかんだとヘビロテするのは事実だからだ。今回紹介するジャーマントレーナーは、その象徴的なモデルと言っていい。なにせ、多くのブランドがその完成されたデザインにインスパイアされているのだから。
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■今、なぜ“ジャーマントレーナー”がかっこいい?■
ポイント1:シンプルにして完成されたデザイン
ポイント2:ハイブランドも注目するファッション性の高さ
ポイント3:デニムからスラックスまで対応
読んで字の如く、ジャーマントレーナーとは旧西ドイツ軍のトレーニングシューズとして開発された。1970年代から’90年代頃まで、〈アディダス〉や〈プーマ〉といったブランドが生産していたという背景もあり、実用スニーカーとしてだけでなくファッションスニーカーとしても質実ともに評価が高い。なにせ、ラグジュアリーブランドである〈メゾン マルジェラ〉も、スニーカーコレクションの主軸に据えるほどだ。
基本的に、ミリタリーアイテムのデザインに特許はない。というか、特許を取得するためには開発者やデザインの詳細を明かさねばならず、ゆえに秘匿性が求められるミリタリーアイテムには不相応だからだ。つまり、サンプリングが自由ってワケ。そんなこともあって、ジャーマトレーナーのデザインは世界中のブランドで採用されている。いわゆるローテク系には名作が多いが、そんな背景がジャーマントレーナー人気を他に類を見ないほど広めた一因になっている。
大きな特徴は、スムースレザーとスウェードをコンビ使いしたアッパーとガムソール。特にトウのデザインが印象的。シルエットはナローなものが多く、それゆえデニムといったカジュアルパンツだけでなく、スラックスにも馴染んでくれる。まあ、控えめに言っても、一生履き続けられるデザインってことだ。
2万5080円(リプロダクション オブ ファウンド/アイ ファウンド)
実際に’70年代のミリタリーシューズを手掛けていたスロバキアのファクトリーで生産する同ブランドらしく、細部まで忠実に再現されている。イタリアンレザーを採用し、耐久性と履き心地のよさを両立。
最も特徴的なのが、このトウのデザイン。そもそもはトウの補強のために配されたスウェードだが、今ではそれがアイコン的な存在に
耐久性が高く、なおかつグリップ力にも優れているガムソール。アッパーと生ゴム色ソールのコントラストが、クラシックな雰囲気を楽しませる
アキレス腱を保護するため、高さを持たせたバックステイ。ミリタリースニーカーだけでなく、’70年代のスニーカーには比較的よく見られるデザイン
2万5080円(リプロダクション オブ ファウンド/アイ ファウンド)
ベーシックなホワイト×グレーに対して、コチラはヌードカラーを採用。イタリアンナッパレザーとイタリアンスウェードの組み合わせはそのままに、よりシックな雰囲気を楽しめる。
2万6180円(リプロダクション オブ ファウンド/アイ ファウンド)
‘80年代的な雰囲気が漂うベルクロ仕様。脱ぎ履きがクイックになるのはもちろん、柔らかなピッグレザー製のライニングと相まって、コンフォートな履き心地を与えてくれる。
2万1780円(リプロダクション オブ ファウンド/アイ ファウンド)
シンプル&ベーシックであるがゆえに、こんな派生デザインも登場。見てのとおりスケボー仕様で、ソールやライニングによりクッション性を持たせ、ウィズも幅広に設定されている。
2万8380円(リプロダクション オブ ファウンド/アイ ファウンド)
こちらは、ラグジュアリーブランドのスニーカーでも御用達のセレナソールを採用。シックにして艶感のあるブラック×ブラウンの配色と、上質な雰囲気に仕上がっている。
1万4500円(アディダス オリジナルス/ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店)
言うなれば、本家によるリメイク。“BW ARMY”と名付けられた1足は、もちろんジャーマントレーナーがインスピレーション源。日本人の足型にマッチする、やや幅があり甲高のあるラストが見どころだ。とはいえ、トウのデザインやガムソールなどオリジナルへのリスペクトはしっかり。
各1万2100円(プーマ/プーマ お客様サービス)
こちらも直系の血筋を引く1足。オリジナルのミリタリー感を残しつつも、プレミアムレザーが上質感をアピール。ゴールドカラーの箔押しも、その印象を後押しする。サイドにはプーマ フォーム ストリップが。細身を踏襲することで、スタイリッシュな履き姿に。
1万5950円(パトリック×アーバンリサーチ ドアーズ/アーバンリサーチ オンラインストア)
フランスブランドが作る、ジャーマントレーナー。それも〈アーバンリサーチ ドアーズ〉の別注となれば、実に興味深い。オリジナルを踏襲しつつ、インサイドには〈パトリック〉の2本ラインをアレンジ。シルエットが細身で、クリーンな履き姿を楽しませてくれる仕上がりだ。
2万900円(インターナショナルギャラリー ビームス)
実に再現度の高い1足。それもそのはず、当時と同じラスト、マテリアルを採用して作られたのだから。各パーツの形状もオリジナルに忠実に従った、ヴィンテージ好きも納得の仕上がりになっている。いかにオリジナルのデザインが完成されたものであったかを、証明する1足だ。
ヴィンテージ好きからも、モード好きからも、イタリアンラグジュアリー好きからも、はたまたフレンチカジュアル好きからも、いわば全方位から愛されているジャーマントレーナー。スニーカー百花繚乱時代に、どれを履けばいいかわからなくなったら、その答えはここにある。
●アイ ファウンド
TEL:03-6434-7418
●アーバンリサーチ オンラインストア
TEL:050-2017-9011
●インターナショナルギャラリー ビームス
TEL:03-3470-3948
●ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店
TEL:03-6212-1500
●プーマ お客様サービス
TEL:0120-125-150
photo : Tomoo Syoju(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka