黒い箱に詰めこまれた色あざやかな花々。デンマーク出身のニコライ・バーグマンが20年前に考案したフラワーボックスは、和と洋の美意識が融合したまさにアート作品と呼べるもの。いまやブランドのアイコンであると同時にギフトの定番としても名を馳せている。
「実はフラワーボックスは、某ブランドからのオーダーがきっかけで誕生したものです。600個のフラワーギフトをお客様にお渡ししたいが、それを置くスペースがない。コスト面などの制限もあり、ひねり出したアイデアが箱に直接花を敷き詰めることだったんです。結局この注文はありませんでしたが、厳しいリクエストをチャレンジに変えてお客様が喜ぶようにすることも大事。そう理解できたのはビッグレッスンでした」と語るニコライ氏。もちろん斬新なパッケージだけではなく花の魅せ方にもこだわりを持つ。
「花は美しいだけではなくサプライズも大事です。たとえば木の根をあえて上にのせるなど、お客様が『これは何?』と思うような仕掛けを作るんです。そこから会話が生まれ思い出にもなる。私の手掛ける花がコミュニケーションのきっかけになればといつも願っているんです」
一方で、花にまつわるサービスにも徹底的にこだわる理由は、結局は感動と幸せを呼ぶ、日本らしいトータルショッピング体験のためと語るニコライ氏。その思いは、来年箱根に開園予定のボタニカルガーデンにも繋がっているようだ。
「やっぱりきれいな花を大自然の中で楽しんでもらいたくて。そこには花やグリーンのオブジェもあるなど、様々な物語が感じられる場所を目指しています」。花好きはここでも人の幸せを考えている。
2020-05-29