PEOPLE*


Luca Delfino

ルカ・デルフィノ/
マセラティ アジアパシフィック地域統括責任者


ルカ・デルフィノ

電動化を発表した
〈マセラティ〉の未来とは?


昨年11月、未来に向けたイノベーションプランを発表したイタリアの名門〈マセラティ〉。その中には電動化への取り組みもあり、「あの感動的なエンジンを擁する〈マセラティ〉が!」と多くの人は思ったことだろう。そんな中で、ブランドの輝かしいヘリテージはどのように継承され、新しい価値として提供されるのか。アジアパシフィック地域統括責任者を務めるルカ・デルフィノに聞いてみた。

「〈マセラティ〉は、これまでレーシングカーとロードカーの双方で栄光の歴史を作ってきました。1957年には、F1でワールドチャンピオンを獲得していますが、レーシングスピリットはブランドのDNA。5月にお披露目するMC20というスーパースポーツカーはそれを最も体現したモデルとなります。一方で、長距離を楽しく快適に走る"グランドツーリング"も大切なDNAです。それらのDNAは、革新を重ねた未来においても変わりません」

気になる電動化は今年から本格派。まずは、中型スポーツセダン"ギブリ"にマイルドハイブリッド車が設定される。

「パワートレインの電動化に関しては、未来に向けて重要な取り組みです。しかし、たとえ電動化しても〈マセラティ〉に対する期待には応えられると自負しています。なぜならそこには常にブランド独自のDNAが宿っているからです。そういえば、2018年に初のSUV"レヴァンテ"を発表した際にも、「〈マセラティ〉は変わってしまうのか」という心配の声をいただきました。しかし、そのレヴァンテが今ではブランドの顔として愛される存在になっているわけですから」。果たして〈マセラティ〉は未来をどのように変えていくのか。大いに期待したいところだ。



〈マセラティ〉

 

マセラティ5兄弟が、1914年にボローニャで創業。F1など数々のレースで勝利の記録を打ち立て、イタリアスポーツカー文化の発展に重要な役割を果たしてきた。一方、ロードカーではグランドツーリングを象徴する存在でもあり続けてきたブランド。ルカ・デルフィノは、2018年より現職に就任。


写真=手塚 優 文=遠藤 匠

2020-03-13