PEOPLE*


Sassoun Sirmakes


サスーン・シルマケス/
クストス CEO


サスーン・シルマケス

時代が求めた新しい価値観で
高級時計界に新風を吹きこむ。


時計界で新興勢力として注目されているブランドがある。それが〈クストス〉。CEOであるサスーン・シルマケスは共同経営者のアントニオ・テラノヴァとともに2005年にブランドを設立。果たして急成長を遂げた要因はどこにあるのか?

「すべては情熱からはじまりました。ですが、それだけでは続きません。ビジネス的な観点から最初に3つのベース作りに注力しました。ひとつめはお客様に気に入られるデザインで、ほかと差別化できる製品作りです。次に、製品を正確に効率よく作れる製造能力。そして3つめが製品を流通させるディストリビューション。この3つがうまくいったので、〈クストス〉が急成長したのです。今後はコミュニケーションに力を入れて、ブランドをもっと知ってもらいたいですね」

実は、フランク ミュラー グループの共同オーナーであるヴァルタン・シルマケスを父親に持つ彼。1 7 歳で〈フランク ミュラー〉で時計の修業に入り、ビジネスをはじめたのが22歳。若いときから時計業界を知っていることも強みになっているのだろう。さらに彼には時代を読む力も備わっているようだ。

「成功した人が高級時計を手にするのはどの国も一緒です。ところが最近、そんな人の時計選びの状況が少しずつ変わってきていると感じています。10年前なら成功者はクラシックなデザインの時計を選ぶのが当たり前でしたが、今は違う。高級品の分野でも見かけが重要で、お客様もこれまでとは全く違った価値観のある時計を求めているのです。〈クストス〉はそんな人のライフスタイルにぴったりの時計です。そういった価値観の変化も、〈クストス〉が多くの人に受け入れられている要因のひとつかもしれません」

現代のモダンな感覚を時計で体現する〈クストス〉。新しい価値観がここにある。



〈クストス〉

 

スイス・ジュネーブを本拠地とする〈クストス〉。緻密なムーブメントをあえて見せるスケルトン仕様や、トノウ型ケース(一部丸型やスクエアケースもあり)がブランドのアイコンに。新時代を切り開くハイテクウォッチとしても名を馳せ、グレード5のチタンやタングステン、カーボンなどを素材として多用。モデルによってはゴールドやダイヤをあしらい、より贅沢な時計の価値を創出する。


写真=奥田高文

2018-11-30