アニメ映画史上最大ヒットとなった『アナと雪の女王』の続編は、来年公開予定。そこまで待てない世界中のファンのために作られたのが、『アナと雪の女王/家族の思い出』だ。ピクサーの長編映画『リメンバー・ミー』と同時上映される22分の特別編なのだが、だからといって楽に作れるというものではない。
その大役を任されたのが、ケヴィン・ディーターズとスティーヴ・ワーマーズ=スケルトンだ。映画『ベイマックス』や『ズートピア』などに関わってきた2人だが、監督に抜擢されたのは、これがはじめて。
「観客が共感してくれるストーリーにすることが第一。僕自身にも子供が3人いる。我が子がこの映画を見たとき、どう反応するだろうかと常に考えていたよ。それ以外の心配はしないようにしたね」とディーターズが言うと、ワーマーズ=スケルトンも「そうじゃなきゃ、凍っちゃうわよ」と笑う。このチームワークと人当たりのよさも、彼らが選ばれた理由だ。
プロデューサーのロイ・コンリは、2人のおかげで、この映画の製作チームには家族のような雰囲気ができたと感謝の意を示す。そもそも、邦題が示唆するとおり、今作はまさに、家族がテーマなのだ。舞台も、家族が集まるホリデーシーズンである。
「クリスマスの時季に自分が何をやるのかについては、みんなで相当話し合ったね」と言うディーターズ家の伝統は、「毎 年、母が焼いてくれたのと同じクッキーを焼くこと」。一方ワーマーズ=スケルトンは、「ツリーを飾るのが家族の中の私の役目」だ。両方とも、映画にしっかり登場する。
アナとエルサには両親がいないのだが、そこがまさにポイント。「今の世の中にはいろんな家族が存在する。今作の登場人物がお互いを見つけたのは、素敵なことだ」とディーターズ。幼い娘を連れて見に行ったら、自分のほうが何かを感じてしまった。それをやってみせたのだから、この2人は立派に任務を果たしたということだ。
文=猿渡由紀
2018-03-13