1737年に創業した〈ファーブル・ルーバ〉は、スイスで2番めに古い歴史を持つブランド。機械式高度計を内蔵したアウトドアウォッチなど、画期的な発明を得意としている一方で、多くの高精度ドレスウォッチを作ってきた歴史もある。今年の新作はケースをサイズダウンし、レトロモダンなデザインを継承する存在感のある時計に仕上がった。
ドレスウォッチというと、シンプルなデザインと薄型ケースの組み合わせが定番。とはいえ、こういった時計は上品にまとまる一方で、少し没個性になりがちなのも確か。その点〈ファーブル・ルーバ〉のドレスウォッチは、1950~'70年代のレトロモダンな雰囲気たっぷり。凡庸な手元にならない存在感がある。しかも"スカイ チーフ デイト"のケース径は40㎜というミドルサイズ。ベゼルが薄く全体的にコンパクトな印象があるため、エレガントなスーツ姿にもよく馴染み、ビジネスシーンで主張しすぎる心配もない。老舗らしい上品さがありながら、個性もしっかり主張できる時計である。
スイス時計産業の中心地ル・ロックルにて、1737年に創業。高性能防水時計や気圧計、さらには高度計付きのプロフェッショナルウォッチを製作し、多くの冒険家から愛された。'70年代には優雅で個性のあるクッションケースを考案。その時代の空気感を継承したスタイルが、現在の〈ファーブル・ルーバ〉の特徴となっている。
[スカイ チーフ デイト 40]
1950年代モデルのデザインを継承し、左右対称の端正なダイヤルにキラキラ光るインデックスを組み合わせた。ドレッシーだが防水性能は10気圧。このブランドらしく、日常使いの時計としては必要十分なスペックを持っている。ケース径40㎜、自動巻き、SSケース&ブレス。22万円(ファーブル・ルーバ/スイスプライムブランズ)
スイスプライムブランズ | 03-4360-8669 |
写真=野口貴司、池田佳史 スタイリング=中川原 寛 ヘア&メイク=松本 恵 文=篠田哲生 構成=大嶋けいこ
2019-11-29