ヨーロッパ初の航空機飛行を成し遂げた飛行家アルベルト・サントス=デュモン。その出会いから生まれた1本の時計は、空への憧れと男の情熱を今も語り継ぐ。新作では夜間飛行のロマンを美しい光に再現した。
夜間飛行には、決して抗うことのできない蠱惑(こわく)的なロマンがある。機内から暗闇に瞬く星を見ていると、まるで夜という異空間に引きこまれていくような、不思議な感覚にとらわれるのだ。
「機上にあって、夜があまりにも美しいと、人は思わずわれを忘れる、人はもう操縦はしない」と書いたのは、作家でパイロットのサン=テグジュペリ。その先達であり、航空界のパイオニアの飛行家アルベルト・サントス=デュモンもこれに大いに賛同したに違いない。
"サントス ドゥ カルティエ"スケルトンウォッチは、空からのパリの夜景の美しさに目を奪われたであろうサントスの高揚感を再現した。オープンワークとスーパールミノバを施したブリッジは、暗所ではその姿を浮かび上がらせ、通常のスケルトンフェイスとは異なる表情を見せる。サントスは夜間の実験飛行時はプロジェクターで手元を照らすことを考えたという。そんな夜間飛行に心躍らせ、挑み続けた男に思いを馳せる逸品がここにある。
[サントス ドゥ カルティエ
スケルトン ウォッチ]
日中は美しいオープンワークが施されたスケルトンフェイスと、それを通して見える精緻なメカニズムを楽しむことができる。ADLC加工による渋銀のケースもダンディズムを感じさせる
カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757 |
写真=池田佳史 スタイリング=中川原 寛 文=柴田 充 構成=大嶋慧子
2019-05-31