FEATURE*


ISETAN MEN'S

大人に今必要なのは
リラックス感のあるラグジュアリー。

優雅さを纏いながら
お洒落をもっと遊ぶ。


ひと昔前は、ラグジュアリーな服飾品はここぞという場面で気合を入れて纏うものだった。でも、今では日常をもっとリラックスして過ごしたいと、思いは変化している。だから、心地よさを求めて質の高いアイテムを普段使いし、そのデザイン性や遊び心で日常を彩る。そんな時代の気分を楽しめる新作を〈イセタンメンズ〉で集めてみた。




DIOR

Vゾーンの演出に新鮮さを
もたらすモダンな遊び心。


ジャケットの着こなしにおいてVゾーンの演出はひとつの楽しみ。ただ、休日にタイドアップで出かける機会はそれほどないし、たまには違う演出もしてみたい。そう思ったら、この1着をお試しあれ。"DIOR"ロゴ入りストラップがVゾーンにアクセントをもたらす、意表をついたデザイン。しなやかなバージンウールで仕立てた高級感あふれるジャケットだからこそ、その遊びが粋に映る。セットアップ感覚で気楽に着て、絶妙なハズしを楽しんでほしい。

個性的な意匠のジャケットはTシャツの上に着ても美しいシルエットを楽しめるスリムフィット。”CD”の刻印が入ったホーンボタンやバージンウールの優しい手触りなど、細部にも格の違いを感じる。スタイリッシュな姿にはクラシカルな”ディオール オブリーク”柄のバッグが似合う。ジャケット24万円、Tシャツ5万7000円、パンツ7万3000円、バッグ17万5000円、サングラス5万1000円(以上ディオール/伊勢丹新宿店)

 







FENDI

モダンなフラワー柄なら
総柄だって洗練さを感じる。


総柄のシャツと聞くと、攻めたお洒落をイメージしてしまう。だが、このシャツの印象は違う。大柄のフラワーモチーフながら、画風の芸術性が高く、しかも白地を生かしたデザイン。華やかさと品のよさが同居する絶妙なバランスに仕上がっている。しかも、ボディは心地いいシルク仕立て。柔らかなドレープがまた、総柄にニュアンスを与え、落ち着いた印象に見せる効果を発揮。これには、ストレッチのきいた"楽パン"を合わせ、気負わず着こなしてみたい。

ベルトやスライドサンダルのロゴ演出で、腰から下にも見どころを作るのが今の気分。パンツの配色さえ落ち着いていれば、意外とスッキリとまとめられる。スライドサンダルは、LAのストリートシーンにおける注目アーティスト、ジョシュア・ヴィーダスとのコラボレーション。シャツ〈6月下旬発売予定〉11万5000円、パンツ〈8月下旬発売予定〉9万9000円、サンダル〈6月下旬発売予定〉7万9000円(以上フェンディ/伊勢丹新宿店)

 







DOLCE&GABBANA

リラックスして過ごせる
涼しげ柄のセットアップ。


休日ウエアとしてすっかり定着しているセットアップ。あれこれ考えなくてもコーデがキマる手軽さも、人気の理由だろう。そのラクさの極みといってもいいのが、ふわりと軽いジャケットに、伸縮性のあるウエストバンドのジョガーパンツを組み合わせたこちら。上下の白地に浮かぶマルチストライプも爽やかだが、コットンにナイロンをブレンドして動きやすさを加味した生地にも清涼感がある。色使いで遊んだサンダルを合わせれば、春の街で絵になる。

清々しいセットアップにインパクトのあるトロピカルテイストモチーフのトートバッグを合わせれば、夏を予感させる着こなしに。トートバッグはスポーティで実用性も高いネオプレン素材。ストラップで肩にもかけられる2WAY仕様。ジャケット26万4000円、Tシャツ2万8000円、パンツ10万3000円、サンダル〈6月中旬発売予定〉価格8万7000円、バッグ14万5000円(以上ドルチェ&ガッバーナ/伊勢丹新宿店)







GIORGIO ARMANI

ヌケ感と爽やかさの一歩先を
狙える大人目線の白スニーカー。


爽やかさの演出だけが白スニーカーの使命ではない。デザイン自体がシンプルだからこそ、高級感のある素材選びや美しいライン、そして丁寧な作りで格の違いをはっきりと印象づけることができる。それを証明しているのがこちら。白さときめ細かさが際立つ白レザーは、見た目からもグレードの高さが伝わる質感。側面には、さりげなくブランドのシグネチャーが手書きで書かれている。これこそ、爽やかさだけでは終わらない大人の白スニーカーだ。

側面から立ち上がり靴紐を通すように設計されている、どこかアルファベットの"A"を思わせるディテールは、〈ジョルジオ アルマーニ〉のスニーカーを特徴づける意匠のひとつ。白スニーカー12万5000円、パンツ17万8000円、手に持った黒いバックパック28万円(以上ジョルジオ アルマーニ/伊勢丹新宿店) 右写真:カラーバリエーションのスニーカー各10万8000円(以上ジョルジオ アルマーニ/伊勢丹新宿店)


白スニーカー以外でもこの独特のスタイルは楽しめる。グレーで濃淡を描いた配色に加え、スポーティなマルチカラーもラインナップ








BERLUTI

品格あるキャンバスで
カジュアル服も見違える。


クリエイティブディレクターにクリス・ヴァン・アッシュが就任して以来、話題の尽きない〈ベルルッティ〉。この春、お目見えしたシグネチャーキャンバスもホットなトピックだ。「あたかもアーカイブに存在していたようなキャンバスを作りたかった」という意欲作だけあって、その作風はブランドの歴史を感じさせる独特の趣がある。表面には耐久を考えたエンボス加工が施されているので、実用性も十分。カジュアルな装いの格上げ小物として、申し分ない出来栄えだ。

キャンバスのモチーフは、創業者のアレッサンドロ・ベルルッティが草創期に作った靴のシューツリーをモチーフにしたロゴと、4代め当主のオルガ・ベルルッティが生み出したカリグラフィーモチーフとの組み合わせ。シグネチャーキャンバスで仕立てたショルダーバッグに対するレザーの上品なあしらいはブランドの真骨頂。W26×H23×D7㎝。14万9000円(ベルルッティ/伊勢丹新宿店)







BRUNELLO CUCINELLI

リネンスーツがバカンス服
なんてもう言わせない。


リネンスーツというと、リゾート服の印象が強いかもしれない。確かにそれも持ち味ではあるが、この1着を見る限りそのリラックスした佇まいは都会に持ちこむことも可能なようだ。均一な糸でツイル特有のクリーンな質感を表現したピンストライプ生地は、リネンのイメージをいい意味で裏切る洗練された風合い。それでいて、プルオーバーシャツをパンツアウトして着流してもサマになる。この力の抜けたスーツ姿こそ、都会派の休日服の理想型といえそうだ。

ボディに浮かぶピンストライプ柄は、白い細縞に対し、シガー色に染まった2本縞を交差させたノーブルな配色。プルオーバーシャツやスウェード仕立てのタッセルローファーは、グレーと相性のいい淡ベージュにするとまろやかな印象のスーツ姿に。スーツ49万円、シャツ6万6000円、Tシャツ4万6000円、ポケットチーフ2万7000円、シューズ12万5000円、バッグ49万円(以上ブルネロ クチネリ/伊勢丹新宿店)







DUNHILL

デジタル技術で蘇った
アーカイブで装いを一新。


音楽の世界には、往年の名作とされる音源を再構築して新しい音楽を生み出す手法がある。お洒落の冒険をするときも、その方法論は有効かもしれない。〈ダンヒル〉が手掛けたこのコートの裏地、シャツやパンツを彩る総柄は、アーカイブに保存されていたもの。1970年代の同社の広告イメージをデジタル処理で大胆にアレンジし、新しい魅力を表現した。攻めた着こなしのようでいて、クラシカルな落ち着きも感じる装い。たまには、こんな冒険も悪くない。

ゆったりとしたシルエットのシャツとパンツは、着心地のよいシルク仕立て。独創的なオリジナルプリントは、東京を拠点に活動する気鋭のデジタルアーティストの小林健太氏とのコラボによって生み出されたもの。裏地でグラフィックをアピールできるスプリングコートは、伊勢丹新宿店限定アイテム。コート21万円、シャツ〈6月下旬発売予定〉15万円、パンツ15万円、サンダル8万6000円(以上ダンヒル/伊勢丹新宿店)







ETRO

アクティブ派こそお洒落は
エコにこだわる時代に。


アスレジャーなんて言うまでもなく、スポーティなシェルアウターを日常使いする姿も、休日の街では当たり前の光景に。ただ、これがジム帰りに見えてしまってはいただけない。お洒落として成立させるなら、このようなペイズリー柄で品格やエレガントさを加味するのがいい。しかも、表地は環境に配慮し、ペットボトルを再生した撥水ポリエステルで仕立てたもの。エシカルにこだわるスタンスもまた、大人のお洒落を感じさせる部分かもしれない。

ブランドを象徴するペイズリーの総柄は、落ち着きがありつつも色彩豊かに彩られたプリントによって描かれたもの。艶やかなキュプラの裏地なので着心地はなめらかで柔らかく、なおかつ動きやすいのが魅力。裾にはフィット感を調整できるスナップボタンが備わっている。ブルゾン17万3000円、パーカ10万9000円、Tシャツ5万3000円、スウェットパンツ8万3000円、サングラス参考商品(以上エトロ/伊勢丹新宿店)







ALEXANDER McQUEEN

さらりと羽織るだけで
スポーティもサマになる。


コーディネートに悩んだり、レイヤードする服にこだわるのもお洒落の醍醐味。ただ、手間をかけずに、絵になる着こなしを演出できるのであれば、それに越したことはないはず。まさに、このアウターもその中のひとつ。その名も"ハーネスブルゾン"。白地ボディの両肩に、まるでハーネスのようなブルーの切り替えが施されている。だから、これ1着でご覧のとおりの印象深さ。しかも、気負わず洒落て見えるところにも、大人の余裕を感じずにはいられない。

ダブルジップ仕様のボディは、爽やかな着心地のポリエステルナイロン製。フードはドローストリングス付きの機能的な設計に。ハーネス風の切り替えは左右非対称な個性派デザインで、右側にはメタルボタンの意匠が施されている。ブルゾン14万8000円、Tシャツ2万9000円、デニムパンツ8万1000円、シューズ参考商品、バッグ17万1000円、サングラス4万7000円(以上アレキサンダー・マックイーン/伊勢丹新宿店)




写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア&メイク=松本 恵 文=遠藤 匠 構成=大嶋けいこ

2020-06-05

※諸般の事情につき、発売日が変更になる可能性があります。






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