ビジネスにおいて浸透してきたグローバルスタンダード。ある日、"ブラックタイ着用"と書かれた招待状が届くことがあるかもしれない。そんなとき、日本流の略礼装、いわゆる"礼服"では華やかさに欠ける。ここは準礼装のタキシードを気負わず楽しんで、"わかっている男"を印象づけてみよう。
フォーマルにおいても遊び心を求められる場合はあるが、それよりもホストや場所に対する敬意を重視すべきときも。そんなときは、迷わず王道を体現する〈ブリオーニ〉の1着を。さすがレッドカーペットを歩く著名な俳優たちが信頼を寄せる老舗だけあり、そのタキシードはエレガントにして威風堂々とした佇まい。美しく立ち上がるラペルの幅とやや短めの着丈が、高めのウエストラインとの完璧なバランスを保っている。一目を置かれる装いとは、まさにこのこと。
ブリオーニ ジャパン | 03-6264-6422 |
女性を華やかな夜会にエスコートするときは、準礼装にも華やかさを。おすすめは、柔らかな仕立てで男の色気を引き出す〈ジョルジオ アルマーニ〉の1着。優雅なドレープを描くジャケットは、'80年代のスーツを彷彿とさせる4つボタンのダブルブレスト。パンツは裾幅26㎝のワイドシルエットだが、ジャケットの着丈との絶妙なバランスゆえ、リラックス感がありつつも着姿は品格にあふれる。ドレスアップした女性の隣に立てば、2人は夜会の主役級に。
ジョルジオ アルマーニ ジャパン | 03-6274-7070 |
言うまでもなくタキシードという準礼装もフォーマル自体の様式も、英国発祥のもの。格式の高さを重んじるべき場所にお呼ばれしたときは、その伝統を現代に受け継ぐ〈ダンヒル〉の1着が頼りになるに違いない。ジャケットはなめらかなベルベットコットン仕立てで、ブリティッシュテイストを体現する構築的な仕立てが凛々しさを演出。流行に左右されない低めのゴージラインからも品格が感じられ、落ち着いた印象に。この風格こそが、永遠のスタンダード。
ダンヒル | 03-4335-1755 |
ダークトーンを選びがちなフォーマルファッションだが、たまにはパープルに染まったジャケットはどうだろう。個性を印象づけられる配色だが、実はかつてルネッサンス期のヨーロッパの貴族は、この色に近いミッドナイトブルーとベルベットとの組み合わせをエレガントでプレステージ感のあるものとして珍重していた。その様式美を、現代に蘇らせたのがこの1着。さらにパープルは、ブランドの最上位ラインを象徴する色。格式の高さは折り紙つきだ。
ラルフ ローレン | 0120-327-420 |
写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア&メイク=松本 恵 文=遠藤 匠 構成=大嶋けいこ
2019-11-29