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どうやら厳しい寒さは先だから

今選ぶコートは
重厚よりも軽快に。


今年は暖冬傾向で、厳しい寒さが訪れるのはまだ先なのだとか。それならば、まず手に入れるべきは、軽やかな仕立てのコート。オーセンティックで重厚なウールコートと違い、こちらは素材やデザインも多様。洒落たスタイリングにも挑戦しやすいので、街歩きの楽しさもぐっと広がるだろう。特にラグジュアリーブランドのものなら、旬なスタイルやディテールが存分に楽しめそうだ。




HERMÈS

街で目を引く配色にして
雨風でも心強い存在。


オンオフ兼用なんてことを考えると、お洒落にコートを着る楽しさが半減してしまう。だから、今季は休日限定で着るコートも用意して、思い切って色や素材感で遊んでみてはどうだろう。たとえば〈エルメス〉が手掛けたルージュカラーの1着はお誂え向き。赤とはいえワル目立ちしないトーンだから大人にぴったり。しかも、ポリエステルを採用した生地はゴム引きなので、防水性も抜群。突然の雨にだって慌てることもない。アクティブに過ごす休日でも頼れる存在だ。

光沢感のあるルージュカラーは、ダークトーン中心になりがちな冬の装いに、ほんのり華やかさを添えてくれるもの。見た目にレザーのような風合も感じられ、お洒落で風格ある大人の装いが楽しめそうだ。コート53万2000円、シャツ10万1000円、中に着たニット16万2000円、パンツ14万7000円、ブーツ16万4000円、ハット7万3000円(以上エルメス/エルメスジャポン)


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エルメスジャポン03-3569-3300





LOEWE

3つの顔を持つ個性派なら
シーン別での着分けも楽しい。


ジャケットならまだしも、コートを何着も揃えてシーン別で着分けるなんて発想はなかなか持ちにくい。ところが、そのハードルを1着で乗り越えさせてくれるのが〈ロエベ〉の新作。実はこのコート、ナイロンコートとウールコートをレイヤードした設計になっており、それぞれを単体で着ることも可能。合わせて着ると、ロングコートの重厚感を感じさせないナイロンコートに、ウールの襟がシックに映える。気分に合わせ、3通りのコート姿を楽しんでみよう。

レイヤードした状態で着用するときは、表側はしなやかなナイロン、襟とウエストベルトはウールに。エレガンスとスポーティさを併せ持つこのスタイル自体も、コートのお洒落としてはすこぶる新鮮だ。コート参考価格48万6000円、ジャケット19万7000円、シャツ10万5000円、パンツ9万円、シューズ10万7000円(以上ロエベ/ロエベ ジャパン カスタマーサービス)

 


気温次第で着分け可能。




右がナイロン単体で着用した状態で、左はウール。単体で着ても、堂々とした見た目でサマになる


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ロエベ ジャパン
カスタマーサービス
03-6215-6116





DUNHILL

総柄に挑戦するなら
ヴィンテージ目線で。


軽やかなコートを纏うのであれば、気分も華やぐ柄モノに挑戦するのもいい。いきなりハードルが上がるような気がするが、その心配は無用。〈ダンヒル〉の新作のように、総柄ながらワル目立ちせず、エレガンスを印象づけられる1着も存在するのだから。この柄のモチーフは、高級ヴィンテージカーの内装にあるウッドのような、ウォールナットダッシュ。コートの素材は丈夫で耐水性に富むナイロンだから、実際に週末ドライブにおいてもよき相棒になってくれそうだ。

柄はデジタルプリントによって精緻に表現。比翼仕立てのステンカラーコートを、リラックス感のあるシルエットに落としこんだ。袖口にホーン製ボタンを採用するなど、ディテールにも高級感が宿る。コート15万5000円、ジャケット25万円、ニットポロ8万9000円、パンツ4万6000円、ブーツ24万2000円、グローブ6万7000円(以上ダンヒル)、ハットはスタイリスト私物


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BRUNELLO CUCINELLI

それなりの場所にも使える
スタイリッシュな軽量コート。


ビジネスパートナーから高級レストランに招かれたら、やはりひと目で上質とわかるアイテムでキメたいもの。とはいえこの季節はまだ、重厚なウールコートの出番は少し先。そんなときは、この〈ブルネロ クチネリ〉のような、しなやかなナイロン仕立てのコートが重宝する。この1着はカラダのラインが美しく見えるような仕立てで、肩の力が抜けつつもスマートな印象に。また、軽量なため、出張先でも持ち運びやすいのも美点。ビジネスマンにはぴったりだろう。

撥水性に優れるタフタ素材を採用。高密度に織られているので、その風合いはシルキーで極めてなめらか。クセがなくシンプルに徹したステンカラーコートのデザインは、オンだけでなくカジュアルな装いにもよく馴染む。コート29万8000円、スーツ54万円、シャツ4万9000円、ネクタイ4万1000円、帽子4万5000円(以上ブルネロクチネリ/ブルネロ クチネリ ジャパン)


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ブルネロ クチネリ ジャパン03-5276-8300

写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア& メイク= Hanjee 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子

2019-10-25






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