仕事ができる男というのは、ふとした仕草や佇まいも含めて、どこか人とは違うように感じるもの。もちろん服装も然り。端正なシルエットや上質な生地の風合いから内面的な余裕が窺えるというものだ。目指すべきはそんなビジネスマン。仕事のスキルアップには時間を要するかもしれないが、服装だったらこの秋アップデイトするだけでいい。
日本人はダブルのスーツに苦手意識を持っている人が多い。しかし、シングルでは望めないあの貫禄は、間違いなく年を重ねた大人を引き立ててくれるはず。そこで、おすすめしたいのがこの1着。ナポリのスーツをイメージした職人技が息づく仕立てが特徴で、迫力あるワイドラペルには貫禄あり。同時に、高い位置のゴージラインや短めの着丈が極めて現代的だ。この1着なら、格の違いを印象づけながらも、時代が読めている男を演出できるだろう。
ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070 |
出張先では初対面の人に出会うことが多い。だからこそ、ジャケット姿も印象に残るものにしたい。この1着は遠目には無地に見えるが、実は〈ルイ・ヴィトン〉の“モノグラム”がエンボスで描かれている。しかも、エレガントなピークドラペルもサテン仕立て。近距離でしか認識できないこうした遊びが、個性として相手の記憶に残るはずだ。さらに、そこに気づいた人となら会話が弾むことだってある。自己演出上手なジャケットは、なにかといいことずくめなのだ。
ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854 |
背筋を伸ばして仕事と向き合うときは、やっぱり英国ブランドのジャケットがしっくりくる。セットアップスーツとして着用することを前提に作られたこの新作は、まさにお誂え向きだろう。カラダをシャープに見せる体形補正効果は健在ながら、英国スタイルとしては肩山が低め。ラペルも細く、若々しいネイビーのチェック柄と相まって、印象はすこぶる軽快に映る。そんなスーツはダークなシャツと合わせるといっそうモダンに。ドレスコードが許せば挑戦したい。
ダンヒル 03-4335-1755 |
多忙を極めるときほど必要になるのが心の余裕。きちんと感を重視しがちなジャケットの装いも、どこかゆとりを感じさせることが大切だ。このジャケットは、柔軟で軽快なカシミヤを使用し、独自のツヤ感と快適な着心地を備えるもの。つまり、素材自体に余裕がある。また、スタンダードなスタイルなので、シーンを選ばずに安心して着用できるのも美点。タイドアップはもとより、ノータイでもサマになるグレンチェック柄のおかげで、コーディネートにも悩まずに済む。
ゼニア カスタマーサービス 03-5114-5300 |
写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア&メイク=星 隆士 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子
2019-09-13