大昔から人は、星々が時間や季節の移り変わりとともにその姿を変えることに気づき、その動きを観測して農業や生活に役立ててきた。時計はこの"宇宙の動き"を機械で再現するという壮大な夢を抱いた時計師たちが作った精密機械。そしてまず、時計師たちがその動きの再現に挑戦したのが月。その結果生まれたのがムーンフェイズ(月齢)表示というわけだ。つまりこの機構付きの腕時計は、そんな彼らの宇宙に対する情熱や夢、歴史を超えたロマンを感じる特別な存在。時刻だけを知らせるタイプとは違い、誰もが文字盤を見るたびにロマンチックな夢を見ることができる。願わくは時計の中に月を収めて、ビジネスでの"ツキ"も期待したい。
"究極のエレガンスと美"を追求する〈ハリー・ウィンストン〉。月と時計の深い関わりをどこよりも理解しているウォッチブランドでもある。複雑時計はもちろんのこと、プチサイズのレディスモデルに至るまで、ムーンフェイズ機構を積極的に腕時計の中に組みこんできた。このモデルはムーンフェイズ表示を6時位置に備えたもの。WG製のシンプルで美しい月が顔を覗かせる。また、この時計は12時位置に閏年表示を備えた月表示のサブダイヤルや、文字盤の左右にはブランドが得意とするレトログラード(往復運動)式の曜日表示、日付表示を備えた贅沢なパーペチュアルカレンダーモデル。情報量が多いが、指針や時分針の色を変えつつ先端だけを赤にしたり、上下2つのサブダイヤルを立体的な3D構造にするなど、様々な工夫で画期的な読みやすさを実現している。
夢あふれるエレガントなメゾンの世界観を精緻な時計で表現。過ぎていく時を楽しく演出してくれるのが〈エルメス〉だ。月をテーマにした2019年の最新作では、実にユニークな方法で月齢を教えてくれる。文字盤は煌びやかな夜空を思わせるアベンチュリン製で、その上下に配置されたのはマザー・オブ・パールで作られた美しい月。2つあるのは、上が南半球から、下が北半球から見た月の姿を表現しているため。そしてこの文字盤の上を、時刻、日付をそれぞれ表示する2つの可動式インダイヤルがゆっくりと一周。その日その時の月の満ち欠けがわかるという仕組みとなっている。従来のムーンフェイズ表示窓でなく、文字盤全体を使って月齢を表示する、斬新でユニークなこの逸品。手につけると、〈エルメス〉流のロマンチックな月旅行が待っている。
メカニズムでも職人技でも、その"究極"を追求する〈ジャガー・ルクルト〉。1833年以来、スイスのジュウ渓谷で時計作りを続ける名門でもある。今年は、伝統の職人技であるグラン・フー(高温焼成)エナメル技法とギョーシェ加工にフォーカス。超絶コンプリケーションモデルを筆頭に、この技術を盛りこんだスペシャルピースを開発し、限定モデルとして発表した。このモデルはその中でも最もシンプルなムーンフェイズウォッチ。熟練した職人が手作業で行うエナメル技法と、ギョーシェ加工が持つ美しさをストレートに引き出している。特に目を引くのは、やはり神秘的なブルーエナメル文字盤の輝き。その落ち着いたトーンの中で、6時位置にて輝く月は高級時計らしい気品を感じさせてくれる。薄型ケースのフォルムもビジネスマンにはありがたい。
1755年にスイス・ジュネーブで創業。洗練されたメカニズムとシンプルなデザインで時計通を魅了する名門〈ヴァシュロン・コンスタンタン〉。ブティック限定で発売される、超薄型でドレッシーな永久カレンダーモデルの最新作がコチラ。ミッドナイトブルー文字盤の6時位置にムーンフェイズ表示を搭載。伝統的なシャンルヴェ・エナメル(彫金七宝)を使って表現した夜空が実に美しい。12時位置の月表示、3時位置の日付表示、9時位置の曜日表示と合わせていっさいの調整の必要がなく、2100年3月まで正確に月の満ち欠けを文字盤上で再現する。アリゲーターストラップの色も文字盤に合わせたダークブルーで、ピンクゴールドケースとの色合わせも完璧。また、ケースはシースルーバック仕様で、芸術的なムーブメントの姿を眺める楽しみも用意されている。
ドイツのすぐ隣にあるシャフハウゼンの街で1868年に創業。スイスの時計ブランドながら、ドイツ的で質実剛健な時計作りを貫いてきたのが、IWC(アイ・ダブリュー・シー)。この時計は、ブランドのパイロット・ウォッチに次ぐ、長い歴史を持つ"ポルトギーゼ・コレクション"の永久カレンダーモデルだ。ムーンフェイズ機構は、ご覧のとおり文字盤12時位置にあるのだが、こちらはちょっと変わったダブル・ムーンフェイズ表示タイプ。上下の月がそれぞれに北半球と南半球の月齢を同時に表示するというユニークなものとなっている。また、7~8時位置には4桁の西暦表示を備え、2100年3月を迎えるまで修正不要。その永久カレンダー機構の誤差は、なんと577.5年でわずか1日。世代から世代へと受け継がれるにふさわしい、世界最高峰の表示精度を誇る。
ドイツ・ザクセン王国の御用時計師が製作し、ドレスデンのゼンパー歌劇場で今も使われている五分時計。その意匠を引き継いだ大型の日付表示(アウトサイズデイト)を備えているのが、この"ランゲ1"。さらに時分を表示する大型のインダイヤル、秒を表示するスモールセコンド、そして指針式のパワーリザーブ表示を採用し、丸い文字盤の中に、この要素をアシンメトリックに、だが完璧なバランスで配置。抜群の視認性を実現している。そして、そのムーンフェイズモデルは、スモールセコンドのインダイヤルの中に月齢表示を融合させたもの。しかも朝の6時から18時までの昼間は月の背景がスカイブルーに。18時から朝の6時までは月の背景が、星をちりばめたダークブルーの夜空になり、昼夜表示も兼ねている。巧みなアイデアに脱帽する傑作だ。
1980年に誕生した〈ウブロ〉は、ラバーストラップを高級時計の世界にいち早く導入したセレブ御用達のラグジュアリースポーツウォッチブランド。2005年に誕生した、セラミックやカーボンなどの先端素材を組み合わせた"ビッグ・バン"が人気だが、創業当初のDNAを継承する"クラシック・フュージョン"コレクションも、それに劣らぬ魅力を備えている。なかでも文字盤をスケルトン仕様にした"アエロ・フュージョン"シリーズは、機械式ムーブメントが文字盤側から鑑賞できるので、メカ好きの男性には特におすすめ。文字盤6時位置にムーンフェイズ表示&日付表示を備えたこのモデルは、2つの表示に加えて、12時位置の月と曜日の表示もシースルー仕様。目で楽しめるフルカレンダーモデルでもある。さらにチタンケースでつけ心地も軽快だ。
ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション 0120-346-376 |
エルメスジャポン 03-3569-3300 |
ジャガー・ルクルト 0120-79-1833 |
ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755 |
IWC 0120-05-1868 |
A.ランゲ&ゾーネ 03-4461-8080 |
LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ 03-5635-7055 |
文=渋谷康人
2019-05-31
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2020-06-05
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2020-06-05
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2020-06-05
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2020-05-29
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2020-05-29
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2020-05-29
Urban Safari Vol.15
〈エルメネジルド ゼニア〉は香りも特別。
上質を知る男が酔いしれる
最高素材とクラフトマンシップ。
2020-04-15
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2020-04-15
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センスのよさを見せつけて
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2020-04-15
Urban Safari Vol.15
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2020-04-15
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デキるビジネスマンは
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2020-04-15
Urban Safari Vol.15
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2020-04-15
(c)HINODE PUBLISHING