香りは時に場の空気感を変える。ましてそれがラグジュアリーな香り豊かな香水だったら、視覚的な情報以上の演出ができるというもの。さらに著名な調香師が手掛けたものとなれば、香り自体が1つの芸術だ。
フレグランスは、自分らしさを印象づけるシグネチャーになりうるもの。また、それがわかりやすく上質なものなら、香りひとつで好感度を上げるなんてことも夢ではない。そんな奥深き世界を探求し、魔法のような香りを紡ぎ出しているのが調香師たち。フランスから本格上陸を果たした〈フレデリック マル〉は、そんな調香師の技を存分に体験できるブランドだ。
創業者のフレデリック・マルは〈パルファン・クリスチャン・ディオール〉の創設者を祖父に持ち、各ボトルに"作者"として調香師の名を記し、その才能と技術に光を当てた人物。芸術性の高い香水を生み出す手腕が、高評価を得ている。今回紹介するのは、従来の香水の常識を覆し、傑作を生み出しているドミニク・ロピオンが調香したもの。一般的な香水の約3倍の量のベチバーを用い、あざやかかつフレッシュな香りを表現している。斬新ながら調和のとれた唯一無二の香りが、自分も知らなかった新しい魅力を引き出してくれるかもしれない。
[ベチベル エクストラオーディネール]
トップノートは、清々しいベルガモットやビターオレンジ。 型破りともいえる多量のベチバーに5つのウッディノートを掛け合わせることで、ベチバーの新たな魅力を引き出した。100㎖。3万6000円
[ゼラニウム プール ムッシュー]
ゼラニウムを軸に、大量のムスクやミント等のスパイスをブレンド。そこにエキゾチックノートを加え、透明感のある香りに。100㎖。3万円
フレデリック マル お客様相談室 0570-003-770 |
写真=正重智生 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子
2019-03-29