セットアップスーツは上下別売り。体型や好みに応じてサイズ違いで揃えられるうえ、色違いで楽しめるなど活用の幅が広い。最近では一流テイラーもそこに注目。“スーツのカジュアル化”に対応する快適素材やデザインを展開している。とはいえ仕立てと素材は上質で別格。その満足度はすこぶる高い。
ネクタイをするほどではないが、きちんと感は損ないたくない。職業次第だが、そんな装いが必要になるときもある。このセットアップは、そんな場面で理想的な1着。カラダに美しくフィットするジャケットとパンツは見るからに上質。年相応の落ち着きも印象づけられる。一方で、パッチポケットやウィンドウペーン柄で力の抜けた雰囲気も。しかも、ストレッチの効いたウールは軽くて快適。ご覧のとおり、Tシャツで気楽に着こなすだけでもサマになり、オンはもとより、オフでも好印象を得られるだろう。
ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070 |
旅慣れた感は着こなしにも自然と表れてしまうもの。出張先で気後れしないよう、ピークドラペルのジャケットをタイドアップで着てみる。肩に力が入りすぎると場慣れしていない印象になるので、こういうときは気分的にもリラックスできるアンコンタイプを選ぶのが正解。生地はリネン素材ならリラックス気分にも寄り添い、快適。ウォッシュド加工を施し、ナチュラルな風合いに仕上げているので、着心地も柔らかだ。表情や身のこなしにも自然と余裕が生まれる。
ブルネロ クチネリ ジャパン 03-5276-8300 |
ジャケットの着こなしに新鮮さが欲しいときは、変化球的な装いに挑戦してみてはいかがだろう。たとえば、〈ダンヒル〉が手掛けたこの1着。前合わせはダブルブレステッドながら、ボタンを内どめするだけという斬新なデザインを採用。だから、ラペルと一緒にフロントがひらりと返り、軽快で個性的な表情を演出できる。一方、広めの肩幅とたっぷりした身頃というクラシックなシルエットも兼ね備える。デザインで遊んでいても大人のお洒落として成立するところが、このブランドらしさ。
ダンヒル 03-4335-1755 |
デリーゴジャパン 03-6661-9266 |
凹凸ある表面で、清涼感が楽しめるシアサッカー素材。コットン製が基本だが、このジャケットの素材はウールにシルク、そしてリネンをブレンド。これにより、ウールのしなやかさと絹の光沢感に加え、麻のハリ感まで楽しめることに。そのへんはさすがに〈エルメネジルドゼニア〉、素材の提案力は群を抜いている。そんなジャケットには白パンを合わせても気分がいい。テーマは清涼感を味わう週末。本来スーツで着るジャケットを単体でカジュアルに着こなせるのは、やはりセットアップのなせる業だ。
ゼニア カスタマーサービス 03-5114-5300 |
写真=野口貴司、正重智生 スタイリング=中川原 寛 ヘア& メイク=松本 恵 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子 撮影協力=コンプレックス ユニバーサル ファニチャー サプライ
2019-03-29