長く愛せるコートを選ぶなら、創立200年を迎えた〈ブルックス ブラザーズ〉を見てからがいい。それは究極のベーシック。オンオフ問わない使い勝手のよさと風格は、ほかでは望めないもの。本物だけが持つ価値を、このブランドはよく知っている。
ビジネスで大切なのは信頼性。取り引き先でも社内のビジネスパートナーであっても、そこが崩れると何事もうまくいかない。ま、このへんはみなさんが一番熟知していることだろうけど、実はこのことは、コート選びにも当てはまる。コートは当然長く着るアイテム。ずっと着続けるためには、アイテム自体とブランドへの信頼がないと心許ない。では、実際にどんなものが信頼に足るかというと、〈ブルックス ブラザーズ〉の1着がまさにそれ。肩線が美し い正統派の仕立ては、品格を印象づけるには十分すぎる出来栄え。ところが、こう見えて実は肩パッドが入っておらず、芯地も省いたアンコン仕立てを採用しているから着用感はすこぶる軽快。凛々しさの中に力の抜けた雰囲気が同居している。つまりこのコートは、伝統的な美点を踏襲しながら細部をモダンにアップデイト。着る人に寄り添ったコート作りをしているというわけだ。そんなコートに信頼が置けないわけがない。ブランド創立から200年。これはさすがに侮れない。
起毛感のあるクラシカルな服地は、ナイロンを混紡したジャージ素材。その軽さと伸縮性が、もともと軽い着心地にさらなる快適をもたらしてくれる。腿に少しかかる着丈はモダンなポイント。ジャケットスタイルとカジュアルの両方と相性がいい。コート13万円、シャツ1万9000円、ブレザー6万9000円、ニットベスト1万6000円、パンツ2万9000円、ネクタイ1万2000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)、その他はスタイリスト私物
肩まわりに窮屈感がないので、インナーを少し厚手のニットにしても快適さは損なわれない。濃紺ベースなので、ブルーデニムにもすんなり馴染む。タートルネックセーター5万6000円、デニムパンツ2万6000円、スニーカー2万4000円、サングラス2万2000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)
かつてポロ競技の選手が待ち時間に着用した、保温用コートが原型の"ポロコート"。この新作は、両腰のフラップ付きのパッチポケットという特徴的なデザインを継承する一方、背抜き仕様でかつてない軽さを味わえる。着丈が長すぎず、ポケット位置が高いことも、モダンさの演出にひと役買っている。男:コート23万円、スーツ13万円、ベスト2万6000円、シャツ1万9000円、ネクタイ1万2000円、シューズ6万4000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)、その他はスタイリスト私物 女:ジャケット7万4000円、スカート3万6000円、ロングブーツ5万3000円、肩にかけたショール8万9000円、バッグ3万6000円、ネックレス1万2000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)
背抜き仕様とはいえ、前身頃の内側に大見返しと呼ばれる布地があるので、写真のように前を開けてラフに着こなしても、美しいシルエットをキープできる。セーター2万6000円、中に着たTシャツ〈3枚セット価格〉5000円、パンツ1万3000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックスブラザーズ ジャパン)、その他はスタイリスト私物
ブルックス ブラザーズ ジャパン 0120-185-718 |
写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア& メイク=松本 恵 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子
2018-10-31