かつては、男らしさやダンディズムの象徴だったコート。しかし、名だたるブランドの最新作は、高度なテイラリング技術でより美しくて軽やかな着心地に。ドレスアップのために着るというより、むしろ休日に気楽に羽織ったほうが粋に映る。上質極まりない1着が、週末を楽しく彩ってくれそうだ。
ダブルブレストのコートと聞いて思い浮かぶのは、重厚で格式高い着こなし。コーヒースタンドまでぶらりと歩くような休日の外出に不似合いかと思いきや、〈エルメス〉の新作はどうやら例外。トープ色のウールは、風合いも柔らか。ウエストの絞りを効かせすぎないストレートシルエットも、力の抜けた印象 の追い風になっている。それでいて、構築感のある確かな仕立てはさすがのひとこと。リラックスしつつも粋に見えるその佇まいは、コーヒー片手に歩く姿さえ優雅に見せてしまう。
エルメスジャポン 03-3569-3300 |
ジャケットと違い、屋内で脱ぐことが多いコート。レストランのクロークではスタッフに裏地を見られたり、手触りを確かめられる機会もあるだろう。そんなときに、クラス感をさりげなく印象づけられるのが〈ルイ・ヴィトン〉のこの1着。ボディ裏側は、"モノグラム"をジャカード織りで描いた贅沢な仕上がり。もちろん、触れた瞬間に伝わる上質なウールカシミヤの柔らかな風合いからも、格の違いは明らかとなるはず。その後、レストランスタッフのサービスが違ってくるのはご愛嬌!?
ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854 |
この冬、注目を浴びているベルテッドコート。〈ディオール オム〉の新作はトレンチコートがベースだが、ハードボイルドすぎる印象はない。キャメルカラーの上質ウールを採用することで、男らしさとエレガンスが同居した佇まいに。加えて、カーフレザーのベルトがウエストマークになることで、洗練されたシルエットがさらに引き立つ仕様となっている。その、なんとも絵になる風貌は、ドライブの途中で愛車から降りる姿さえ颯爽とした印象を残す。まるで映画のワンシーンのようだ。
クリスチャン ディオール 0120-02-1947 |
デートにおけるコート姿は、全方位どこから見られてもスタイリッシュであってほしいもの。〈ドルチェ&ガッバーナ〉のチェスターコートは、まさにその理想形。それにしてもどうしてこのブランドは、ここまで美しくグラマラスに見えるパターンを描けるのか。コートの素材も、グレードの高いカシミヤを使用。チェンジポケットのような英国調のデザインもこれ以上ないくらいに映える。横を歩く彼女にしてみれば、こんなパートナーなら、「誰にも渡したくない」と思うかもしれない。
ドルチェ&ガッバーナ ジャパン 03-6419-2220 |
ドルチェ&ガッバーナ アイウエア 03-3514-2947 |
写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア&メイク=松本 恵 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子 撮影協力=マセラティ ジャパン
2018-10-31