NY ブランドが手掛けた製品は、シティライフで映えるエッセンスが満ちあふれている。装飾性を削ぎ落としつつも上品な華やかさをたたえた〈マイケル・コース〉のバッグで、その魅力を存分に楽しみたい。
グレーは、ベーシックな色でありながら、身にまとう人を品よく端正に見せてくれる。ミニマルで仕立てのいいブリーフケースを主役に、着こなし全体もこの色で統一してみたらどうだろう。色使いでアレコレ悩むよりも、簡単に洒落て見えるはずだ。
年を重ねると、装飾的な要素を抑えたものを好むようになるのはなぜだろうか。とりわけその傾向は、バッグ選びに顕著に表れる。女性のようにバッグにアクセサリー的な役割を担ってもらう必要がないということは、おそらく理由のひとつだろう。ちょっとうがった見方をすれば、人生経験を積んで人としての深みを増した男であれば、バッグがもたらす演出効果に頼る必要がないのかもしれない。もちろん、デザインがミニマルであるということは、都市生活者にとってはなにかと使い勝手がいいという実用的な魅力もある。
そんな大人の男が思い描く理想像にピタリとハマるのが、〈マイケル・コース〉のバッグだ。ニューヨーク州のロングアイランドで生まれ育ち、1981年に自身のブランドを設立。以来、ニューヨークを拠点としてきたマイケル・コース氏の世界観は、まさしくNYスタイル。ブリーフケースにしても休日モードのバックパックにしても、シンプルに徹して使う人を引き立てるという引き算の美学が息づいている。加えてこの洗練されたデザインは、使用している革や仕立て自体の上質さを強く印象づける役割も担っている。つまり、いい年の大人にふさわしいクラス感も備わっているというわけだ。
ファブリックのようなテクスチャーの型押しは、キズがつきにくい点も魅力。手に優しい丸ハンドルも、職人技が宿るレザー仕立て。
コシのあるクロスグレインレザー仕立てで、スマホなど小物の収納が便利。背面には雑誌が収まるアウトポケットも備えている。
ふっくらと厚みのあるペブルドレザー製ボディが、心地よくフィット。内側の背面に、タブレット用ポケットが用意されている。
1959年、アメリカ・NY州ロングアイランド生まれ。 1981年に自身のブランドである〈マイケル・コー ス〉をスタート。その後〈セリーヌ〉のクリエイティ ブ・ディレクターも務めるなどブランドの躍進に 貢献。1999年にCFDAのデザイナー・オブ・ザ・イ ヤーをはじめ、数々の賞を受賞している。
マイケル・コース カスタマーサービス 03-5772-4611 |
写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア& メイク=松本 恵 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子
2018-03-13