スーツに袖を通した瞬間、気持ちが引き締まるあの感覚は、どんなに年を重ねても変わらない。おそらくそれは、スーツが男を一番輝かせてくれる服だからだろう。であればビジネスに限らず、休日のお洒落でも着ない手はない。上質で春らしいグレースーツなら、輝きはもっと増すはずだ。
見るからに仕立てのよさそうなスーツ。それなのに、ポロシャツで力を抜いた着こなしにもよく馴染む。その秘密は、〈ジョルジオ アルマーニ〉が得意とするライトウェイトな仕立てにある。芯地を省き、肩パッドを薄く仕上げているので、気負いなく着られるのがいい。それでいて、肩がストンと落ちるストレートショルダーとスリムなボディは極めて都会的。シルク混ウールというリッチな生地のおかげもあって、無地であることがウソのように華やかだ。
ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070 |
キリッとした線を描くコンケーブショルダーに加え、胸まわりをたくましく見せる仕立ては、まさしく英国スーツのお家芸。〈ダンヒル〉が仕立てたこの1着には、そんなブリティッシュスタイルの伝統が息づいている。実際、袖を通してみると背筋が自然と伸び、自信に満ちた佇まいになることに驚かされる。それは直線的に絞られたウエストによって逆三角形シルエットが生まれ、高めのアームホールで姿勢が少し補正されるから。ここぞという日の1着にどうだろう。
ダンヒル 03-4335-1755 |
デリーゴジャパン 03-6661-9266 |
「まるで第二の皮膚のように、心地よくフィットする」。〈ブリオーニ〉が、自社スーツの魅力をそう語る理由はどこにあるのか? それは、ジャケットの袖を通した瞬間に理解できるはず。特筆すべきは、仕立てにおいて手作業の割合が多いこと。手縫いを多用すれば、着心地自体が優しくなるだけでなく、カラダの微妙な曲線に沿ったシルエットを描くことも可能となる。凛々しいのにどこかリラックスして見える佇まいの秘密は、ここにある。
ブリオーニ ジャパン 03-6264-6422 |
肩や胸をグラマラスに隆起させながら、引き締まったシルエットを描いたこの“ポン・ヌフ”フィットのスーツ。フロン トを開けて着てもきれいにロールするピークドラペルはさすがの出来栄え。どこか威風堂々とした佇まいを演出してくれる。フォーマル色が和らぐ無彩色のグレーなら、旅をともにする1着としても活躍してくれそうだ。細身であることを感じることなく快適に動けるのも、〈ルイ・ヴィトン〉のテーラーリング技術のなせるワザ。
ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854 |
写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア& メイク=松本 恵 文=遠藤 匠 構成=大嶋慧子
2018-03-13