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BROOKS BROTHERS

名だたるヨーロッパの老舗よりも
歴史があるアメリカの誇り。



歴史の長いブランドは欧州に多い。たとえば〈バーバリー〉は1856年にイギリスで、〈エルメス〉は1837年にフランスで誕生した。しかし、これらよりさらに古いブランドがアメリカに存在する。

来年で創業200周年という歴史を誇るアメリカブランドの代名詞〈ブルックス ブラザーズ〉。1818年に最初の店舗ができて以来、常にニューヨーク・マンハッタンの移り変わりとともに歩んできた。

スタートは〈H.&D.H.ブルックス〉という名の洋服店だ。とはいえ服だけではなく、雑貨なども多く扱っていたという。やがて創業者の息子たちが店名を〈ブルックス ブラザーズ〉に変更。これがいまや誰もがその名を知るところとなった世界的ブランドの礎である。

1915年には、現在と同じマディソン通りに重厚なファサードの旗艦店をオープン。これが今から100年ちょっと前の出来事であるからスケールが大きい。そして1979年、今から38年前に初の「米国外店舗」が産声をあげる。その地に選ばれたのはここ日本。NY本店のイデオロギーを受け継ぐ店舗はまさに威風堂々。現在も変わらず同じ青山にある。

マンハッタンではその後周囲に超高層ビルが林立し、日本・青山でも界隈では様々なファッションビルができては消えを繰り返しているが、200年の重みを有する〈ブルックス ブラザーズ〉のマインドはどっしりとそこに息づいており、これからも続いていくことだろう。



HISTORY


  • 1818

    H.S.ブルックスが洋服店を開業。
    創業者ヘンリー・サンズ・ブルックスのレリーフ。写真はなく、横顔シルエットの絵のみが残されている。下のメガネはヘンリーの愛用品。

  • 1845

    米国初の既製スーツ販売!
    それまではスーツといえばオーダーのみ。ゴールドラッシュ時は仕立て屋の仕事を待てない開拓者たちが既製服を求め店に大挙して押し寄せた。

  • 1850

    シンボルにゴールデン フリース採用!
    リボンで吊るされた子羊の図柄。当時の毛織物商人が優れたウールを表すマークとしてこの騎士団の紋章を使用しており、その伝統にならった。

  • 1865

    リンカーン大統領が着用する。
    米16代大統領が2期めの就任式で着たのはここのコート。以来、現在まで45人の米国大統領のうち40人が愛用。トランプ現大統領も着用する。

  • 1896

    ポロカラーシャツ誕生。
    創業者の孫、ジョン・E・ブルックスが英国でポロの試合観戦中、その襟が風でなびかないようボタンでとめられているのに気づいたのが発端。

  • 1902

    レップタイをリリース。
    英国軍人着用の伝統的なレジメンタルタイ。このシマの斜め方向を逆にアレンジし米国風に。これもこのブランドならではのアイデア。

  • 1915

    5度めの移転で現在の場所に。
    当初は輸送面で有利になるよう海際の立地だったが、陸送が発達するにつれ内陸へ。この年以来マディソン通りに旗艦店を構え現在に至る。

  • 1935

    シアサッカー素材を採用。
    スーツ地に使い、商品が追いつかないほどの人気を獲得。この素材を米国に最初に持ち込んでから商品化されるまで、10数年の時間を要した。

  • 1979

    日本に店舗が初上陸。
    米国以外で初の店舗が東京、青山通り沿いにオープン。日本旗艦店である。以降、国内に80店舗以上を構えるまでに成長を遂げた。

  • 2010

    〈ブルックス ブラザーズ レッド フリース〉が始動。
    得意のクラシックスタイルをよりカジュアルにアレンジしたラインが登場。フィットはどれもスリムで現代的。若々しいラインナップ。



2世紀にもわたって
人々に愛され続けるブランド。


アメトラの象徴ともいえるアイテムには、およそ200 年の歳月を経て磨かれた無類の存在感がある。今季らしいコーデを着こなせば、男女問わずその真髄に触れられるだろう。




for HER!:
知性とエレガンスが感じられる
女性らしいスタイル。

クリエイティブ・ディレクターのザック・ポーゼンが手掛けるウィメンズラインは「フィット&フレア」がキーワード。キャメルヘアのコートなど、トラディショナルなデザインをベースにしながらも、女性らしい曲線を意識したスタイルはシックで都会的。スカーフやブローチで自分らしさを加えるといいかも。

チェスターコート9万9000円、タートルネックニット5万6000円、チェックパンツ3万6000円、ブローチ1万5000円、バッグ6万4000円、スカーフ3万9000円、ヒールローファー3万9000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)


for HIM!:
大人の休日にふさわしい
落ち着きと風格あるスタイル。

表面の風合いが特徴的なブルゾンはワックスコートで軽い撥水仕様。なので、天気が安定しない週末のお出かけにもぴったり。さらにナイロンフードを収納している襟の内側はコーデュロイで肌に優しい。シャツやマフラーのチェック柄、ニットのフェアアイル柄がトラッドな印象で大人の落ち着きを与える。

コート6万4000円、ニット2万円、シャツ1万9000円、コーデュロイパンツ1万5000円、マフラー1万8000円、グローブ2万4000円、ベルト1万6000円、スニーカー2万4000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)、その他はスタイリスト私物


“THE CLASSICS”

長い歴史において、多くの名品を誕生させてきた〈ブルックス ブラザーズ〉。とりわけ、ここならではのアイテムと呼ぶにふさわしい3つをピックアップ。このあたりも揃えておきたい。

  • #1 ポロカラーシャツ

    服飾史上、最も模倣されたといわれる米国製のオックスBDシャツ。胸ポケのないフロントがクラシックだ。スーピマコットン生地は高密度なのに通気性も良好。各1万9000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)

  • #2 レップタイ

    定番の柄タイにはそれぞれ名前がある。左から順にNo. 1、No.3、No.4、No.5、No.10、アーガイル&サザーランドという。各1万2000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)

  • #3 ツイードジャケット

    左がハリのある伝統のハリスツイード地。右は新作のブルックスツイードで、より柔らかな着心地だ。左/ 8万9000円、右/ 6万4000円(以上ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン)



[INQUIRY]


ブルックス ブラザーズ ジャパン 0120-185-718
www.brooksbrothers.co.jp

写真=正重智生 スタイリング=田川 匠 文=藤巻英治

2017-10-31






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