かけ手のパーソナリティを物語る道具にもなりうるメガネ。せっかくかけるなら、ボディ、ビューティ、バックグラウンドという3つの魅力を備えた新作なんてどうだろう。貴方の個性を目元で代弁してくれるかもしれない。
目は口ほどに物をいうとはよくいわれるが、目元の印象を左右するメガネもかけている人の個性を雄弁に物語るアイテムだ。であれば、いっそのこと語りどころの多いメガネなんていかがだろう。〈モスコット〉の“ブプケス”は、まさにその有力候補。
まず、そのボディが面白い。インナーリムと呼ばれるこの構造は、プラスチック枠でメタルフレームを挟み込む手の込んだ作りが特徴。1930年代の英国で誕生したクラシカルな仕様で、横顔との印象の違いを演出できる点が極めてユニーク。加えて、ビューティ=美しさという側面も見逃せない。
顔馴染みがよく、目元を品よく見せてくれる逆おむすび型のレンズシェイプ。これがとにかく絶妙。横顔に型押しされたグリッド模様も、印象深いルックスを作り出している。
そして極めつきは、NYの老舗ならではのバックグラウンド。今年で創業102年という点も特筆すべきことだが、魅力はそれだけではない。ブランドとして成長した現在でも、家族経営のメガネ店としてニューヨーカーの視力矯正を手助けする存在であり続けている。そんな生真面目で職人気質な物語を語れるメガネなんて、そうそうないだろう。
モスコット トウキョウ 03-6434-1070 |
写真=野口貴司、大嶽恵一 スタイリング=中川原 寛 ヘア&メイク=星 隆士 文=遠藤 匠 編集=大嶋慧子
2017-10-31