年を重ねると、流行よりも自分を引き立ててくれる服のほうが重要となる。それは肌ツヤをよく見せてくれるものだったり、見栄えをよくしてくれる素材感だったり。そんな我儘にも応えてくれる、選りすぐりのブランドのアウターを集めてみた。驚きと感動の着心地を是非体験してほしい。
美しい立ち姿を演出してくれるのがロング丈のコート。それも〈トム フォード〉の1着なら大人にぴったり。羽織ってみればわかるのだが、体のラインがきれいに見えるシルエットが絶妙。むしろ軽快でグラマラスでもある。ボディはカシミヤとウールをブレンドした上質素材で、遠目からでも違いがわかる。その柔らかな素材が優しく体を包み込む。また、構築的なスタンドカラーがロングコートにありがちなオヤジな野暮ったさを消してくれる。
トム フォード ジャパン 03-5466-1123 |
トム フォード アイウェア 03-6804-3652 |
若い頃はよく着ただろうピーコート。久しぶりに袖を通すなら、〈サルヴァトーレ フェラガモ〉の新作はどうだろう。色は定番のネイビーではなく、ひと味違うオリーブカラー。着こなしをマイルドに見せながら、落ち着いた印象を演出してくれる。ウールカシミヤ素材のしなやかさも、昔とは違う一段上の装いを楽しませてくれそうだ。ふと、袖口やポケットに目を向けると、手の込んだレザートリミングが。高級感の印象づけがさりげない点も、大人好み。
フェラガモ・ジャパン 0120-202-170 |
スーツを週末に着こなしたことはあるだろうか? それはまたビジネスのときとは違った心持ちになるはず。たとえば、レストランやショッピングに出かけるとき。こうした場面に似合う、ファッションとしてのスーツを持っておくのは悪くない。で、これに合わせるのはビジネスコートというわけにはいかない。スーツと同じ色の、それでいて襟元にポイントの遊びが効いたピーコートなどはどうだろう? いつもよりちょっと若々しい印象となるはず。
グッチ ジャパン カスタマーサービス 0120-88-1921 |
休日のリラックスした装いに、コートは合わせにくい。テイラード色の強い服なので、そう思われがちだ。ところが、〈エルメネジルド ゼニア〉の新作は例外のようだ。ビジネスっぽさを感じさせない優雅なルックスの秘密は、しなやかなヌバック素材。ゆったりと着こなせるシルエットのおかげもあって、力の抜けたお洒落を演出できる。レザー自体が極薄で、ふわりと軽い着心地も新鮮。一度、袖を通せばコートのイメージが変わること請け合い。
ゼニア カスタマーサービス 03-5114-5300 |
写真=野口貴司 スタイリング=中川原 寛 ヘア&メイク=星隆士 文=遠藤 匠 編集=大嶋慧子
2017-10-31