SUVが世の中を席巻している今、「違う選択をしたい」という人もいるだろう。背が高くて大きなSUVに対して、低くて流麗なクーペはまさに対極。少数派を恐れず美しさを求める人には、いい波が来ている。
SUVが人気なのは、なにも日本だけの現象ではない。グローバルマーケットでもそうで、ある国産自動車メーカーの資料によると、2012年と2017年を比較するとおよそ2倍に成長している。そりゃそうだろう。ドイツ車を中心にこれだけラインナップが増えれば、販売台数が増えているのは容易に想像できる。
ただ面白いのは、そのぶんほかのボディタイプが極端に数を減らしているわけではないということ。つまり、SUVが全体のボリュームを増やし続けているのだ。そして実は、そのほとんどが中国市場の拡大とリンクしている。
そんな中、そもそもパイの小さなクーペに至っても順調にモデルチェンジが行われ、新型車も誕生している。右に挙げた3台がそうで、CLSもA7スポーツバックも今年フルモデルチェンジされた。しか もどちらも力作。プラットフォーム、パワートレーン、それにインターフェイスもかなり新技術が投入されている。
さらに驚いたのが、〈ビー・エム・ダブリュー〉8シリーズ。同ブランドのフラッグシップとなる最上級クーペとして登場。しかも、来年にはCLSやA7スポーツバックのような4ドアクーペのグランスポーツもリリースすることが決まっている。これはまさに背が高くていっぱい人が乗れるSUV人気の揺り返し?なんて思えるほど。SUVが人気になればなるほどクーペがかっこよく見える、そんな気運もわからなくはない。というか、今まさにそんな気分。みなさんはどうだろう?
3世代めとして7年ぶりに今年フルモデルチェンジした新型CLS。4ドアクーペスタイルはそのままにすべてを新しくした。ターゲットはCクラス、Eクラス、Sクラスを選ぶ人とは異なる嗜好の持ち主。スポーティかつエレガントでさらに"艶"を感じさせる仕上がり
A:フロントまわりを中心にデザインに"サメ"のテイストを取り入れた。Aクラスもそうだが、Cクラス、Eクラス、Sクラスとは別のアイコンになる B:艶やかなインテリア。エアコンの吹き出し口にアンビエントライトが備わり、七色の光がナイトドライブを演出する
こちらは誕生から第2世代となった新型A7スポーツバック。スタイリングは従来型を継承するが中身は新世代へとスイッチする。日本導入はA8と同時期になったぶん、こちらはカジュアルなイメージ。始動時のライトの点き方など新しさをアピールする点が多い
A:スタイリングのイメージは従来のままだが、シェパード犬にたとえられた低いテールエンドは33㎜上げられた。結果ルーフラインがなだらかに B:ダッシュパネルには上下二段のモニターと液晶メーター。視線の先にヘッドアップディスプレイとデジタル表示を装備
2018年11月に日本で発表されたばかりの新型8シリーズ。彼らにとって久々の8シリーズ復活となり、6シリーズをやめることで格上げが行われた。来年カブリオレや4ドアのグランクーペが追加されるほか、M8と呼ばれるハイパフォーマンスモデルも登場予定
A:フロントグリルは厚くて大きいが、全体的にワイドで低く構えたスタイリング。特にルーフラインの角度は浅くなだらかさが強調される B:内装は〈ビー・エム・ダブリュー〉らしいスポーティさを押し出しながら豪華さも加えた。センターコンソールの太さは実にこのブランドらしい
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文=九島事務所
2018-11-30