本格オフローダーが注目されている。新型〈スズキ〉ジムニーの人気がわかりやすい例だろう。そんな中、格上オフローダーも新型を発表。注目すべきは、モダンな装備と快適性。これは時代性!?
グランピングが流行っている。実際にその名前を耳にしたのは2、3年前だが、このところ専用の施設が増え、さらに賑わいはじめた。旅雑誌を眺めると、「こんなにあるの!」というくらい建物の写真が並ぶ。
グランピングは、いわずもがなグラマラスなキャンプを意味する。なので、大自然を目前にしながらも、充実した施設でラグジュアリーな時間を過ごせる。もちろん、自分でテントを張って自炊して……のほうが断然いいという意見もあるだろうが、実際に行ってみるとこれが格別。かなり得した気分になるのは確かだ。
さて、これをクルマに置き換えると、右の2つのモデルが頭に浮かぶ。どちらも世界を代表する生粋のオフローダーだ。Gクラスのデビューは1979年だが、その起源はオーストリアの自動車製造会社が1920年代に造った6×6といわれている。ラングラーは1941年リリースのアメリカ陸軍オーダーから生まれたMA型を先祖とする。要するに、どちらも長い歴史を持つ老舗系ということだ。
なので、かつてはグランピングとはほど遠いワイルド系キャンプの匂いをプンプンさせていた。そりゃそうだ。GクラスはNATO軍、ラングラーはアメリカ陸軍に提供する軍用車と関係があった。ドアが外ヒンジなのは取り外しが容易にできるためだし、ガラスの面をフラットにしているのも代用品に困らないためだ。
しかし、このところ様子が変わってきている。両者とも運転は楽に、インテリアは快適に、外観はお洒落に仕上げられる。ともに一見してワイルドで武骨な雰囲気を持たせながらも、現代風にアレンジされているのだ。
たとえばGクラスのインテリアはまさにゴージャス。レザーシートにダイヤモンドステッチのドアトリム、大型の8インチディスプレイ、アンビエントライト云々と高級サルーン並み。夜目隠しして乗せられたら、目隠しを取ってもGクラスとは気づかないだろう。ラングラーはもう少しプリミティブだが、それでもセンターには液晶ディスプレイがあり、副変速機のレバーはあっても前後のデフロックはスイッチで行える。まぁこのへんの操作スイッチはいかようにもなるのだが、あえてラングラーファンのためにプリミティブに仕上げている節もある。
そんなことを鑑みると、今日のこの2モデルはもはやグランピング的。大自然の中を快適に過ごせる仕様だ。ただ実際にオフローダーとしての実力があるのもミソ。それが男心をくすぐるのだ。
ラダーフレームや3つのデフロックをはじめとする伝統を守りながら、すべて新しく設計、開発されたのが新型Gクラス。ドアの開け閉めの音も従来型と同じにするこだわりよう。ヘッドライトユニットのLEDなど外観でも進化した。またオフロード性能も進化。渡河能力水深700㎜は立派だ。税込み価格1562万円~(メルセデスコール)
コードネームがJKからJL型に変わった新型ラングラー。伝統の前後リジッドアクスルをそのままに新たに2ℓ4気筒エンジンをラインナップ。日常使いを意識した進化が見受けられる。ボディタイプは5ドアのアンリミテッドのほか3ドアも。よりヘビーデューティなルビコンも後から追加。税込み価格459万円~(ジープフリーコール)
メルセデスコール 0120-190-610 |
ジープフリーコール 0120-712-812 |
文=九島事務所
2018-10-31