CAR*
ECO CAR
エコ意識の高い
高級車が増えています。
小型車やファミリーカーを中心に浸透してきたエコカー。主に経済的なメリットが謳われているが、最近その波は、一番縁遠いと思われてきた高級車にも急速に及んでいる。果たしてその背景とは?
Range Rover
[レンジローバー]
ラグジュアリーオフローダーも
ついにエコ化を推進。
英国のランドローバー社も同社初のプラグインハイブリッドモデルを〈レンジローバー〉と〈レンジローバー〉スポーツに追加することを発表。特徴はエコだけでなく、スポーティな走りができることだそうだ。デリバリーは今年後半予定。その後EVの〈ジャガー〉i-PACEも控える。レンジローバー PHEV。1508万円(ランドローバーコール)
Mercedes-benz
[メルセデス・ベンツ]
業界をリードするドイツの雄は
常に最先端技術を提供。
自動車の祖として業界を牽引してきたドイツの名門〈メルセデス・ベンツ〉。Sクラスはまさにその象徴で、マイルドハイブリッドシステムなどエコ化も早くから行ってきた。最近は新型直列6気筒エンジンと電動ブーストの組み合わせが話題。エコカー技術の最先端が常にここにある。S 450(ISG搭載モデル)。1147万円(メルセデスコール)
Porsche
[ポルシェ]
レースがこのブランドの主戦場、
それを見事にフィードバック。
〈ポルシェ〉が近年ル・マン24時間レースで活躍していたのはご承知のとおり。そこで走らせていたのが919ハイブリッド。そしてレースでの走りを検証し市販モデルにフィードバック。パナメーラEハイブリッドシリーズは日本でも6モデルをラインナップする。パナメーラ4Eハイブリッド。1436万円(ポルシェカスタマーケアセンター)
BMW
[ビー・エム・ダブリュー]
サブブランド投入でライバルの
一歩先ゆく積極性がウリ。
エコカー専用モデルをサブブランド、iシリーズとして先駆け、i3、i8、i8ロードスターを揃える。なかでもi8はライバルの追従を許さない独壇場として活躍中。スタイリング、ドライブフィールはまるでスーパーカー。また7シリーズでもエコカーを用意する。i8ロードスター。2231万円~(BMWカスタマー・インタラクション・センター)
VOLVO
[ボルボ]
自然と共存する環境大国
だからこそのモデル作り。
XC90は〈ボルボ〉が提案する大型のプラグインハイブリッドSUV。フロントにエンジン、リアにモーターを配することで彼らはこれをツインエンジンと呼ぶ。電池とモーターを搭載するためアーキテクチャーから設計し直したのも大きなポイントだ。XC90 T8 ツインエンジンAWD インスクリプション。1084万円(ボルボお客様相談室)
Lexus
[レクサス]
一日の長となるハイブリッド
技術で存在感をアピール。
ハイブリッド技術に一日の長があるトヨタの技術を採用する〈レクサス〉。今後プラグインハイブリッドのモデルラインナップが増えるのは必至。LC500hはそのフラッグシップ。スポーティな2ドアクーペに搭載したのがポイント。ラグジュアリーかつスポーティなエコカーだ。LC500h。1300万円(レクサス インフォメーションデスク)
Cadillac
[キャデラック]
ハイブリッドも必須項目となった
アメリカンラグジュアリー。
NYのマンハッタンに本社を移転した〈キャデラック〉もフルサイズセダンのCT6にプラグインハイブリッドモデルをラインナップする。ターゲットはドイツ車に乗る北米の富裕層。2ℓ直列4気筒ターボに2基の電気モーターを搭載する。残念ながら現段階では日本導入は未定。CT6プラグインハイブリッド。(GMフリーダイヤル)
エコカーと高級車ではあまりイメージが結びつかない。これまでのエコカーはクルマ自体はそれなりに高くとも、やれ減税だ、やれ燃料費が浮く、といった話が先立ってしまう。懐勘定ばかりだ。
もちろん、EVやハイブリッドカーを普及させるためにはそれも必要だったであろう。が、昨年プリウス20周年を迎えた今、エコカーの存在自体が大きく変わっているのはいわずもがな。結果プレミアムブランドの高級エコカーは増えた。
なかでも気を吐いているのはドイツ勢。〈メルセデス・ベンツ〉〈ビー・エム・ダブリュー〉〈ポルシェ〉といったところが目立つ。Sクラスやパナメーラ、i8や7シリーズといったメンツだ。どれもフラッグシップモデルばかりである。
ではなぜ高価格帯のモデルにプラグインハイブリッドを中心としたエコカーを揃えるかというと、高性能エコカーは開発費がかかるから。つまり車両価格が高くなければ吸収できないのだ。ただ、そこで資金回収がある程度見こめればさらに車種は広げられる利点がある。また同時にヨーロッパの都市で行われる規制への対応というのもある。大衆的なエコカーしか街には入れないではいただけない。
つまりはそこにニーズがあるということ。高性能であらゆる規制にも対応できる高級エコカーをマーケットが欲している。そこで技術力を訴求するドイツ勢を筆頭にモデルが増殖。写真をご覧ください。どうです、目が離せません。
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文=九島事務所
2018-09-14