CAR*


Heritage Heroes REBORN

憧れていたクルマが
“新車”で乗れる贅沢。


最近クルマメーカーが、かつての名車を復刻したり旧車を再生する取り組みをはじめたのはご存知?ハイテク満載の最新車もいいけど、今また旧車に価値を見出し大切に乗る。これもまたいい。


  • JAGUAR D-TYPE

    Dタイプの製造を手掛けるのは、英国にある、同社のクラシックカー所有者やファン向けに、車両、パーツなどの供給などを行う部門“ジャガー・ランドローバー・クラシック”

  • LAND ROVER DEFENDER Works V8

    〈ランドローバー〉70周年記念の特別モデル。残念ながら日本輸入販売の予定はなし。ホイールベースは90と110から選択が可能で、英国販売価格は£15万から


これから、クルマはきっぱり2つのグループに分かれていく。99%はコモディティとして、残りの1%は楽しみと喜びの対象として。

コモディティは実用品だから、自動運転化、電動化、コネクティビティ、シェアリングなどが急速に進み、結果として事故を起こさず、排出物も出さず、運転や所有の負担などが極小化される。クルマが宿命的に抱えこんでいたネガティブな要素から完全に解放される。いま僕らがクルマと呼んで運転しているものとは次元の異なる“高度な移動体”へと大進化していく。すべての人々と社会から大歓迎されるが、それとは別に求められるのが残り1%のクルマだ。運転する喜びや、デザインや歴史を愛でる楽しみのために存在するクルマたち。実際に、そんなクルマが造られはじめている。

〈ジャガー〉は、ル・マン24時間レースを1955年から57年に3連覇した伝説的レーシングカー“Dタイプ”を25台限定で再生産する。当時の計画ではDタイプは100台製造される予定だったが、実際に造られたのは75台で、60余年の時を経て残り25台を製造しプロジェクトを完遂させるという“ストーリー”もこのDタイプにはこめられている。

また、〈ランドローバー〉も1月に“ディフェンダー Works V8”を限定150台で復刻すると発表。ディフェンダーはすでに生産が終了しているが、最近の都会派SUVでは成し得ない究極の悪路走破性能と機能一点張りのデザインを惜しむ声は少なくない。Dタイプとディフェンダーの復刻は、クルマの楽しみと喜びを体現している。今後、プレミアムカーメーカーはこの“1%のクルマたち”にこれまで以上に力を注いでくることだろう。


ほかにこんなメーカーの取り組みも!


  • 〈フェラーリ〉/
    フェラーリ・クラシケ

    東京と大阪に2つのフェラーリ・
    クラシケ認定ファクトリーが誕生。

    〈フェラーリ〉ほどのクラシックカーともなると、その正当性が問われることになる。“フェラーリ・クラシケ”では、クラシック・フェラーリにレストアやメンテナンス・サービス、技術的なアシストを行っているが、大きな特徴となっているのが製造から20年以上を経過したロードカーとレーシングカーに対する鑑定書の発行だ。オリジナル部品でキチンと整備されているかが審査される。

  • 〈ランボルギーニ〉/
    ランボルギーニ・ポロストリコ

    憧れたあのスーパーカーが
    時を超えてフルレストアで蘇る!

    〈ランボルギーニ〉のヘリテージ部門である“ポロストリコ”は、2015年春に本格スタート。ポロストリコの主な役割も、クラシック・ランボルギーニのレストアや鑑定書の発行などだ。さらに、ポロストリコならではの特徴はクラシックモデルの復刻生産。これまでに2台の“ミウラSV”が当時の部品と製造方法で復刻生産されている。現在では、“カウンタック”も作業に入っている。

  • 〈ボルボ〉/
    ボルボ・クラシックガレージ

    名車“アマゾン”をはじめ
    クラシック・ボルボの再生を担う。

    ボルボ・カー・ジャパン社の木村隆之社長肝入りのプロジェクトとしてはじまった“クラシックガレージ”は日本独自の取り組み。コンディションのよい〈ボルボ〉車をレストアして販売するほか、レストアについても専任スタッフが個別に対応してくれる。ちょっと前に流行った240ワゴンや780クーペなどを探してみるのも一興。長く乗り続けるための相談にも乗ってもらえる。

  • 〈メルセデス・ベンツ〉/
    ヤング・クラシック リフレッシュプログラム

    可能な限りオリジナルに
    近い状態にリフレッシュ!

    〈メルセデス・ベンツ〉では20~30年前に販売されていたクルマを“ヤング・クラシック”と呼んでいて、リフレッシュサービスを提供している。それらのクルマの新車整備を行っていたスタッフが中心となって、当時の故障診断機や技術資料を用いて作業に当たってくれるのがなんとも心強い。また、長く乗り続けたオーナーへの走行距離ごと、保有期間ごとの表彰制度も実施されている。


[INQUIRY]


ジャガーコール 0120-050-689
ランドローバーコール 0120-18-5568
フェラーリ・ジャパン 03-6890-6200
ランボルギーニ・カスタマーセンター 0120-988-889
ボルボお客様相談室 0120-922-66
メルセデス・コール 0120-190-610

文=金子浩久

2018-03-13